【コラム】効能たっぷり!インドネシアの伝統的な飲み物『ジャムゥ』を知ろう

写真:Wartuabuana.com

ジャムゥとは

ジャムゥとは、ジャワの住民が生み出した、インドネシアの伝統的なハーブ飲料のことです。ジャムゥは、果物、植物の根、スパイス、花などの天然原料から作られます。

よく使われるスパイスにはターメリック、生姜、タマリンド、クルクマなどがあります。一般的にジャムゥは辛み、酸味、そして苦みがありますが、それでも他にはない魅力的な味わいがあります。

ジャムゥの歴史

数世紀に亘り、ジャムゥは健康を守るため、病気を予防するために人々に愛されてきました。また、美容にも効果があると信じられています。

ジャムゥの起源に関する確かな証拠はまだありませんが、複数の有名な物語がジャムゥをマタラム王朝政権時の17世紀に関連付けています。
その時代のジャムゥは、美を保ち常に若々しくいる為の、王女たちの飲み物でした。

この伝統を現代まで引き継ぎ、発展させた結果、ジャムゥはこの国の宝となりました。

ジャムゥの種類

一般的に販売されているジャムゥは体の抵抗力を守り、疲れを取り除く効能があり、その種類には「ブラスクンチュール(beras kencur)」、「プガールリヌ(pegal linu)」、「ジャヘテルールマドゥ(jahe telor madu)」などがあります。これは男女どちらも飲むことができます。その他にも、「クニッアサム(kunyit asam)」、「ガリアンシンセット(galian singset)」、 「クンチシリ(kunci sirih)」などの女性が好む、痩身・美肌効果があると言われるジャムゥがあります。

多くの効能を持ったジャムゥの配合が沢山存在し、上記の他にも、子供の食欲を増進したり、コレステロールを下げたり、血圧を抑えたりする効果のあるジャムゥがあると言われています。形状についても、液体、錠剤、粉末、カプセル状のものなど大変幅広いです。

ジャムゥの販売方法

伝統的で一般的な方法としては、ジャムゥのボトルが入った竹籠を背負って、女性が販売を行います。ジャムゥ行商人は、住宅地や小さな路地でジャムゥを売り歩きます。このようなジャムゥの販売方法は、インドネシアでは「ジャムゥゲンドン(Jamu Gendong/ジャムゥを背負う=ジャムゥ行商)」と呼ばれています。

写真:theJakartapost.com

現代では、自転車やバイクを使うジャムゥ行商人も増えています。


写真:Iwantantomi.com

また、最近では道端にたくさんのジャムゥ専門屋台が出ており、大きな都市ではジャムゥを販売するカフェさえ存在します。また、家族や友人へのお土産として、パックに入ったジャムゥも人気です。

ビジネスから見たジャムゥ

インドネシア全国で商品販売をしている有名なジャムゥの企業には、PT. Jamu Iboe Jaya、PT. Jamu Jago、PT. Nyonya Meneer、PT. Jamu Air Mancur、PT. Sido Munculなどがあります。上記の中には輸出をし、ジャムゥ市場を海外に拡大している企業も存在します。

18,000以上の島と肥沃な土地を持つことで有名なインドネシアには、ジャムゥの原料にもなる30,000種類以上の植物が存在します。

ジャムゥを摂取するインドネシアの習慣は、良い習慣としてこれからも発展していくであろう、魅力的で健康的な伝統です。インドネシア国内外問わず、健康志向・自然志向がトレンドとなっていること、提供方法や味の多様化が進んでいることからも、ジャムゥの人気は続いていくと言えるでしょう。

株式会社インドネシア総合研究所
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