【コラム】バティックのトレンド
インドネシアの伝統的な特産品といえば「バティック」と思われる方が多いのではないでしょうか。バティックは主に衣服に使用され、男女問わず古くから愛されてきました。
長い歴史を持つバティックですが、最近のトレンドについてはご存知でしょうか。今回はバティックの歴史と、最新のバティック事情をお伝えします。
バティックとは
バティックとは、ろうけつ染めの布のことです。インドネシア以外の国でも見られますが、その中でも特にインドネシア産のものは有名で、日本では、「バティック」もしくは「ジャワ更紗」の名で知られています。
2009年10月2日、インドネシアのバティックがユネスコの世界無形文化遺産に認定され、それ以降インドネシアでは10月2日を「バティックの日」として定めています。
また、2015年9月30日に施行された内務大臣令によって、公務員は毎週金曜日にバティックもしくは地方の伝統的な衣装を着用することが義務付けられています。民間でもその規則を導入している企業は多く、これが金曜にバティックを着用した人を特に多く見かける理由です。
バティックの歴史
バティックの起源については、ジャワ(ジャカルタのある島)の人々がオウギヤシの葉や伝統家屋の壁に植物や動物の絵を描いていたことが始まりだと言われています。
17世紀のマジャパヒット王朝期に布を使うようになり、その布は衣服の生地として使われるようになったことで有名になりました。バティックはその時代、大変貴重な品物だったため、王族とその関係者しか着用することができませんでした。
その後、徐々に一般市民の間でもバティックの作り方が広まり、バティックは王族だけのものではない、全てのインドネシア国民に愛される伝統的な布となったのです。
出典:Bobo.id 2017年10月2日
元々はフォーマルな場で着用するもの
王族だけではなく一般市民も着用するようになったバティックですが、それでも少し前までは、バティックは結婚式や学会、断食明けの集まりなどの「フォーマルな場で着用するもの」という感覚がありました。
また、バティックのデザインや色も比較的落ち着いたものが多く、かしこまった印象を与えるものが多かったと言われています。
最近のトレンド
前述のように、今までは「フォーマルな場のための、かしこまった装い」というイメージの強かったバティックですが、最近では少し変化が見られます。
明るい色やモダンなデザインのものが徐々に増え、特に若い女性の間で友達と遊びに行く時にも気軽にバティックを着用する人が増えています。
今回は、インドネシア総研が注目しているモダンなバティックブランドをいくつかご紹介します。
1 バティック・クルトゥル(Batik Kultur)
10代でバティックファッションブランドを立ち上げた実業家のデア(Dea)氏が経営するブランドです。デア氏自らがデザイナー、経営者、さらにモデルまでを務めています。また、「バティック・クルトゥル」には100名ほどの従業員がおり、その約半分が障がい者ということも、インドネシア国内で非常に注目を集めているの理由の一つです。「バティック・クルトゥル」の衣服は、伝統的なバティックの良さを生かしながら斬新なデザインを提供していることが人気の秘密です。メンズとレディースの両方を取り扱っています。スマランに店舗を構える他、SNSコマース(フェイスブックとインスタグラム)での販売が主なルートとなっています。
ワンピース左: 745,000ルピア(約5,700円)
ワンピース右: 945,000ルピア(約7,300円)
2バティーク(bateeq)2013年に設立されたインドネシアのファッションブランドです。流行りのバティックを使用したメンズ、レディース、キッズの衣服、更にホームインテリアグッズなども販売しています。伝統的なバティックの要素を活かしながら、インドネシアと世界のファッショントレンドを融合し、独自のデザインを創造しているところが特徴です。プラザインドネシアやパシフィックプレイスなどの多くのショッピングモールに店舗を構える他、オンラインショップでも販売を行っています。
ワンピース左:1,499,000ルピア(約11,600円)
ワンピース右:599,000ルピア(約4,600円)
3 プリブミ(PribuMI)
プリブミは、2011年創業のインドネシア革製品ブランドです。バッグ、シューズ、小物などの革製品を取り扱っており、バティックやインドネシアの織物に上質な革を組み合わせることで新たな価値を作り上げています。また、最高のサービスを提供する為にシリアルナンバーと製品の2年保証をつけるなど、品質へのこだわりを大切にしています。バッグやシューズであればバティックをファッションの一部として気軽に取り入れることができるため、お洒落なインドネシア人から注目を集めています。デポックのギャラリーの他にオンラインショップでも販売中です。
バッグ:5,300,000ルピア(約40,800円)
サンダル:1,600,000ルピア(約12,300円)
インドネシアのファッショントレンドの変化に注目
いかがでしたでしょうか?今までのバティックとは違い、普段着として日常で活躍しそうなアイテムがリリースされたことで、新たな層の人気を獲得しています。
インドネシア総研では、インドネシア各地にネットワークを持ち、インドネシア人のリアルな声に耳を傾けながら、日々移り行く現地のトレンドにアンテナを張っています。インドネシアのファッション業界に興味をお持ちの方は、どうぞ弊社までご連絡ください!
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