【コラム】インドネシアの健康事情

近年インドネシアでは、都市部を中心に健康に対する意識が高まっています。健康志向の人が増え続けている背景には、何があるのでしょうか?

日本とインドネシアの健康意識の違い

日本で健康意識が高まっている要因としては、①高齢者の増加により健康寿命への関心が高まっていること、②成熟した経済社会の中で生活習慣病予防者が増えていること、③未病に関する関心・知識を持つ人が増えてきていること等が挙げられます。

では、インドネシアではどうでしょうか?
インドネシアの人口は若く、人々の平均年齢は28才であり、高齢化の動きはまだ緩やかです。

以前は感染症による死亡者数が多かったものの、医療の発展や生活習慣の改善により総数は減少し、現在では脳卒中や高血圧症、糖尿病といった生活習慣病による死亡者数や、肥満の子どもが増加しています。

世界保健機関(WHO)によると、インドネシアにおける生活習慣病による死亡率は2004年の50.7%から、2014年には71.0%まで増加しており、特に糖尿病については、「患者数は2013年の760万人から2030年までに1,180万人まで増加する」とも予測されています。
いくらインドネシアの人口が多いとはいえ、およそ22人に1人が糖尿病患者という計算になってしまいます。

また、英市場調査会社ミンテルによると、ジャカルタ・スラバヤ・バンドン・ジョグジャカルタ等の都市部を中心に、18歳以上の約1200人を対象にインターネットを通じて実施した調査結果では、対象者のうち63%の人々が健康と体調の維持のためには定期的な運動が必要だと考えていることがわかりました。

参考: 世界保健機構

生活習慣病は仕方ない?インドネシアの現状

日本では、道路が綺麗に整備されており、電車の利用率も高く、新鮮な生野菜や生魚などを取り入れた食事ができます。

しかし、インドネシアでは道路の整備、電車の普及もまだまだ行き届いておらず、年中暑いということから、日本と比べて「歩く」機会が少ないのが現状です。

また、ソウルフードは揚げ物がメインであり、調味料も多く使用されています。野菜はほとんどのものが炒め物、もしくは揚げ物として調理され、鮮度管理が行き届いている場所でない限り、生の野菜を食べる機会はほとんどありません。とどめとして、日本の文化である緑茶まで甘いのです。

上述のような不健康と思われても仕方のないお国事情からしますと、生活習慣病の改善にはまだまだ時間がかかりそうな状況です。



 

いま、フィットネスジムでの運動が熱い

そのような中、ジャカルタを中心とした都市部におけるフィットネスジムの展開は、著しいです。
2017年の調査によると、最も人気のあるジムは以下の通りです。

1.セレブリティフィットネス
個人トレーニングとグループトレーニングを提供するジムです。ボディビルダーも御用達だとか。

2.フィットネスファースト
ジム認定のパーソナルトレーナーと専門家がおり、カーディオエクササイズなども行っています。

3.ゴールドジムインドネシア
ジャカルタ、スラバヤ、バンドン、マカッサルなどインドネシアの大都市に展開しているジムです。個人トレーニング、グループトレーニング、ボディビルダー、健康プログラム、個人健康相談サービスなどがあります。

その他にも「マキシマフィットネス」、「ベストフィットネス」などのジムもあり、これらのほとんどのジムは首都圏で展開されています。

Car Free Day 〜ジャカルタの歩行者天国

【コラム】ジャカルタの歩行者天国『カーフリーデー』でもご紹介しておりますが、ジャカルタでは毎週日曜日朝6時から11時まで、「Car Free Day」という、いわゆる歩行者天国を楽しむことのできるイベントを開催しています。

毎週日曜日になると、スディルマン通りでは多くの人々が、各々好きな格好で自分に合った運動を楽しむ姿が見られます。

弊社スタッフもジャカルタ出張時にはCar Free Dayを利用してウォーキングをするなど、気軽に運動できる場所が限られているインドネシアで体を動かしリフレッシュできるとても貴重な場だと感じております。

 

いかがでしたでしょうか?インドネシアでは、2018年8月に「アジア競技大会(いわゆるアジア版オリンピック)」が開催されるなど、身体を動かすスポーツへの関心が高まりつつあります。

しかしながら、食事や気候をはじめとした、無意識のうちに体に害を及ぼしてしまうインドネシア独自の生活習慣や環境があることも事実です。

そのため、日本ですでに発売され、人気を博している健康に関する商品やサービスをインドネシアに持ち込むことで、必ず成功するかと言われますと、
必ずしもそうでない場合がある、というのが回答になりますが、意外なものがインドネシア人の心をつかむということもあります。

 

弊社は、インドネシア医師会とのコネクションもあり、インドネシアの健康問題やヘルスケア市場に関する貴重な情報にアクセスが可能です。なかなか入手しにくい情報をお求めの方はどうぞお気軽に相談ください。

 

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-5302-1260

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