【コラム】インドネシアと日本の結婚式の違い
インドネシアと日本の結婚式では、多くの違いが存在します。今回はいくつかのポイントから、その違いを見ていきましょう。
①招待状の渡し方と出欠の返事
日本では郵送で招待状を送り、それに対する出欠の返事も郵送で行う、というのが一般的です。
もちろん特別な相手や主賓、仲人には手渡しをするという場合もありますが、全体的に見ると郵送が多数派かと思います。また、出欠の返事は、招待状を受け取ってから一週間以内が良いとされています。
一方で、インドネシアでは招待状は手渡しが良いとされています。遠方の場合はやむを得ず郵送となる場合もありますが、基本的には直接会って渡すのがマナーです。
そして驚くことに、出欠の返事をしなければいけないという概念が無く、新郎新婦は当日まで具体的な参列者数を把握していません。そのため、参列者のための食事は多めに用意しておき、余った分は新郎新婦の家族が持ち帰るのが一般的です。
②招待する相手
日本では、基本的に友人、同僚、親族など、新郎新婦と面識のある人たちを招待します。
平均的な参列者数は70名ほどであり、それ以下の参列者数の結婚式も珍しくありません。
では、インドネシアではどうでしょうか?
面白いことに、インドネシアでは新郎新婦が直接知らない人でも、参列可能です。
例えば、一度も会ったことのない「新郎新婦の家族の友達」などが参列することもよくありますし、さらに言えば、「夫の上司の子供の結婚式」に招待されることもあります。
そのため、参列者数は250人以上が普通であり、場合によっては1,000人以上にのぼることも珍しくありません。
知らない人の結婚式にふらっと立ち寄ることは珍しくなく、「お腹が空いたから、他人の結婚式にふらりと立ち寄りご飯を食べてきた」というエピソードもよく聞きます。
③参列者の服装
日本の場合、参列者、特に女性は多くの決まりがあり、当日の服装を選ぶのも一苦労です。
例えば、ドレスを着る場合には、
2. ファーを身に着けてはいけない(殺傷をイメージさせるため)
3. オープントゥの靴を履いてはいけない(フォーマルでないため。つま先が出る=妻が先に出る、といった離別を連想させるため)
などの注意事項があります。
一方、インドネシアでは特に細かい決まりはありません。女性はクバヤ(Kebaya)というジャワの伝統的ブラウスや、ドレスなどを着ることが多いです。しいていえば、「死を連想させる黒は避けたほうが良い」というくらいです。
男性は、正装であるバティック(Batik)と呼ばれるろうけつ染め布地のシャツを着用することが多いです。
④ご祝儀
日本では、ご祝儀の「相場」というのが決まっています。友人であれば3万円、夫婦で出席する場合には2人で5万円、そして親族であればそれ以上、というのが一般的です。
インドネシアではこのような相場というものがありません。金額は関係性だけでなく、参列者の経済状況などによっても変わりますので、人によりけりです。
知り合いレベルであれば、100,000ルピア程度(約800円)、親しい友人であれば200,000~500,000ルピア程度(約1,500~4,000円)、あまり良く知らない知人であれば50,000ルピア程度(約400円)でも問題ありません。
インドネシアではそこまで近い関係でなくとも式に招待されることが多いため、多い月は5件以上の式に参列することもあります。そのため、毎回高額なご祝儀を支払うことは難しく、上記のような金額が現実的であるとも言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか?インドネシアの結婚式からも、インドネシア人の大らかな国民性が伺えるのではないでしょうか。インドネシアの結婚式に招待された際には、是非参考にしてみてください!
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