【アルビー日記】近江日野商人のエピソードとDeep Japan事業について

こんにちは、アルビーです。
私は富山における配置薬の普及と、その傍らで仲人事業(結婚のマッチング)を行っていた「越中富山の薬売り」の話をよくインドネシアの大学で披露していました。

江戸時代に発祥した富山における製薬と諸国への行商による配置薬の存在があったからこそ、現在の製薬産業があるわけです。日本の製薬産業にはこのような歴史的背景があり、一夜にして出来上がったわけではありません。

この話を講義で行ったところ、今年からインドネシアの複数の大学から基調講演の依頼が殺到しました。このような経緯から、私は現在Arbee’s Deep Japan Platformの開発中です。

参考:http://www.senshu-u.ac.jp/~off1009/PDF/200220-geppo679,680/smr679,680-sibata.pdf

私は、本事業立上げに向けて早速「Japan Corporate Culture and its Succession Over Generations:日本企業文化と世代に渡る継承」に関して社内研究部署を設置しました。最近私はあるビジネスパートナーの方と内容の濃い意見交換をさせていただき、その中で初めて「近江日野商人」の存在を知りました。

近江商人とは、江戸時代から明治時代にかけて近江国(現在の滋賀県)を拠点としながら他国へ行商や出店をして商いをしていた商人のことです。近江商人の中でも日野から生活の活路を見出すために行商に出て行き、小売店を重視し醸造業や漢方薬などの独自の商いをしていた人々です。

かれらは「日野商人」と呼ばれていました。近江日野商人たちは、上方(現在の京都・大阪を指す地方)の商品を地方へ持ち下り、地方の商品を上方で販売する「持ち下り商い」を行っていました。故郷から離れた場所で商売を行う彼らにとっては得意先からの信用が大変重要でした。

そこで彼らが考え付いたアイデアが「商いによって売り手・買い手がともに満足し、取引によって得られた利益は社会全体の利益になることが望ましい」という共存共栄の精神でした。この考え方は現在の企業の社会的責任(CSR)の源流としても注目されています。

参考:http://www.town.shiga-hino.lg.jp/contents_detail.php?frmId=237

このように徐々に信頼を獲得していった近江日野商人たちは、江戸幕府から特別な庇護を受けて全国の関所をめぐる手形(現代でいうパスポート)を所持して、各藩に対して売掛金を請求できるほどの影響力を持っていました。

私は、個人的にこの近江日野商人たちの商いは、総合商社のルーツでもあると思いました。国際間ビジネスでも結局は、取引相手国のパートナーや支援者がいなければ成り立たないものです。

この国際間貿易ではあるバイヤーが「材木が欲しい」となれば、材木が産出する場所のサプライヤーから輸出ができるという仕組みです。

スタートアップ企業に関しても同じようなことを感じました。9割が失敗すると予測できるものの、気楽さを失いマネジメントに特化しようとしてしまうのです。

また、ある方から「日本企業は「管理」を辞めるべきだ」という主張も耳にしました。欧米の様式のようにすべてを重要業績評価指標(KPI)で管理するということであれば、結果がすべてであるため、コミュニケーションも不要で顔も性別も隠すべきなのです。

私はこれに対しては少し違う感想も持ちましたが、深いお話でしたので、すぐには腑に落ちませんでしたが、どこか正しいような気がするお話でもありました。

近江日野商人の話に戻しますが、彼らは幕府の庇護を受けており、「三方よし」という商い道、つまり商人のあるべき姿を目指す倫理規定を定めていました。彼らは売り手も買い手も適正な利益を得て取引全体が社会全体の幸福につながるべきであるという考え方を持っていました。

そのため、商売相手の利益を優先するために薄利で、他人の嫌がる苦労も買って出ました。また、豪商であっても粗食で質素な暮らしを心がけていました。このように、近江日野商人たちには、財を成したとしても天秤棒を担ぎ、汗水を垂らして全国を行商する謙虚さがありました。

参考:https://e-omi-muse.com/omishounin/about6.html

しかし、現代社会では理由もわからずに日本式の倫理規範や倫理観だけが残り、「我々日本式ではこのように考える」などといった主張がなされる事が多いです。ここでいう日本式のジャパニーズ・スタンダートは決してどこにでも通じるものではありません。私もこれは正論であると同意します。

弊社インドネシア総合研究所は、2012年に経済産業省よりCool Japanプロジェクトを受託した唯一の外国資本(アルビー)が入った会社です。

しかしながら、今現在必要なのはCoolではなくDeepなのです。私は長年日本に住み、その間には日本人からの軽蔑や差別を受けた経験もありますが、今となっては良い経験になったと思います。会社をどのような理由があっても潰すことができないと思える理由はDeep Japanなのです。

こんなに素晴らしい仕組みや哲学を持っているのに表面上の形だけではもったいない!よりたくさん発信し、その過程の中で自己を顧みて更に自らを磨きあげたいと思っています。

人との出会いはご縁です!
本当にお天道様がいらっしゃることを感じます!
感謝、感謝です!

弊社では現在Deep Japanに関する事業の準備に取り掛かっております。ご興
味がある方はお気軽にお問合せください。

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-6804-6702

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