【インドネシア日本語学校だより】日本語力を高めるアクティビティ・ラーニング:スンダ式「ナシ・リウェット」づくり体験

弊社インドネシア総研がインドネシア現地にて運営代行を行う日本語学校Soken-Schoolの中の一つ、LPKアマテラスでは、生徒たちが日本語学習に真の意義を見出し、実用的なコミュニケーション能力を習得できるよう、革新的な学習アプローチを導入しています。その一つが、インドネシアの豊かな文化を体験する「アクティビティ・ラーニング」です。最近行われたアクティビティでは、西ジャワ州の代表的な料理である「ナシ・リウェット」(Liwet Rice)を生徒たちが協力して調理し、日本の日常生活で役立つ実践的な日本語の使用に焦点を当てました。この活動は、教室で学んだ単語や文法を、買い物から調理、そして食事という具体的な状況で活用することを目的としています。

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目次

第一段階:伝統市場での買い物体験

このアクティビティは、活気あふれるインドネシアの地元の伝統市場から始まります。これは、Soken-Schoolの生徒たちにとって実践的な日本語を試す絶好の機会です。ナシ・リウェットに必要な新鮮な食材、特にスンダ料理特有のハーブやスパイスを調達するため、生徒たちは少人数のグループに分かれました。

市場では、生徒たちは「いくらですか?」「これを一つください」といった基本的な表現だけでなく、「この新鮮なバジル(ケマンギ)は香りが良いですか?」「サンバルに合う唐辛子を選びたいのですが」といった、商品の品質や用途に関する具体的な質問を日本語で積極的に行いました。売り手とのやり取りを通して、生徒たちは価格交渉や、インドネシア特有の食材を日本語で説明する難しさに直面しました。しかし、その過程で、生徒たちは日本のスーパーマーケットや青果店での買い物に必要な実践的なコミュニケーションスキルも自然と身につけるのです。

第二段階:ナシ・リウェットの調理と協力

ナシ・リウェットの調理

市場から戻った後、生徒たちはナシ・リウェットの調理に取り掛かりました。ナシ・リウェットは、米をココナッツミルク、レモングラス、サラムリーフ(インドネシアのローリエ)、そして時々アンチョビと一緒に炊き込む、シンプルながら風味豊かなインドネシア料理です。

調理のプロセス全体で、生徒たちは役割を分担し、日本語で指示や確認を行いました。「玉ねぎを細かく切ってください」、「次の材料は何ですか?」、「鍋を温める必要があります」など、キッチンでの協力は、日本語の命令形や依頼形、そして段取りを追うための動詞の応用練習になりました。彼らは、調理を通じて、チームワークと異文化理解の重要性を学びました。香ばしい香りが立ち上る中、生徒たちの顔には達成感が浮かびました。

ナシ・リウェットの調理

第三段階:みんなで取る食事と地元の知恵

スンダの伝統的な共同での食事の方法

このレッスンで最も重要な段階は、食事の時間です。ナシ・リウェットの体験を完全なものにするため、生徒たちはスンダの伝統的な共同での食事の方法を採用しました。それは、食器を使わず、大きく広げたバナナの葉(ダウンプサン)の上に炊き上がったご飯と付け合わせのおかずを直接盛り付け、皆で囲んで手で食べるというものです。このスタイルは「ムガベドゥクン」(Makan Berdekatan)または「ボボコアン」(Ngaliwet style)として知られ、共同体意識と謙虚さというスンダの知恵(ローカル・ウィズダム)を象徴しています。

この共同での食事の場で、生徒たちは単に食事をするだけでなく、食レポや感謝の気持ちを日本語で表現する練習を行いました。「このご飯はとても香ばしいです!」、「辛さがちょうどいいですね」、「皆で一緒に食べるのは楽しいです」といった会話を通じて、生徒たちは食事の場特有の自然な表現を学びました。バナナの葉の上で共有する温かい食事は、生徒たちの友情を深め、日本語学習の経験を忘れられないものにしました。

まとめ:実践がもたらす日本語学習の深化

このナシ・リウェットのアクティビティ・ラーニングは、LPKアマテラスの日本語教育の哲学を具現化するものでした。日本語を単なる試験科目としてではなく、世界を理解し、コミュニケーションを図るための生きたツールとして捉えること。インドネシアの地元の伝統市場での価格交渉から、調理の指示、そしてバナナの葉を囲んでの感謝の表現に至るまで、生徒たちは日本語を「使う」ことを通して学びました。この実践的な活動は、生徒たちが将来日本での生活や職場で直面するであろう、現実のコミュニケーション課題への準備となるでしょう。LPKアマテラスでは、今後もこのような体験学習を通じて、生徒たちの日本語能力と異文化理解を深めていく予定です。

今後もインドネシアの日本語学校に関する取り組みや最新情報をお届けしてまいります。インドネシア人材や学校設立に関するお問合せは、お気軽に弊社までご連絡ください。

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