【コラム】インドネシアにおけるラマダン中の購買予想とEC動向

2025年のラマダンは2月28日(金)から始まりました。

インドネシアでは、ラマダンからレバランにかけて購買活動が活発化します。

今回のコラムでは、2025年のインドネシアにおけるラマダン期間中の購買予測とECサイトの動向をご紹介します。

目次

ラマダン期間の購買行動予想

調査会社Snapcart社がインドネシア人1,800名を対象に行った調査データによると、2025年のインドネシアにおける購買行動の予測は以下の通りです。

支出について

2025年のラマダン期間中、通常より支出が増えると予想している人の割合は全体の75%に上ることが分かっています。

また、予算の割り当てについては、100万ルピアから300万ルピアを予定している人が44%、100万ルピア未満の人が38%を占めています。

商品の購入時期

ラマダン前後を通じた購買のタイミングとして、最も多かった回答は「ラマダン期間中」(26%)でした。

次いで「ラマダン14日前」(21%)、「ラマダン7~13日前」(21%)と続いており、ラマダンが始まる前から買い物を検討している人が多いことが分かります。

資金源

ラマダン期間中の買い物の主な資金源は貯金が最多で、次いでラマダン手当(THR)を充てる割合が高い傾向にあります。

参考WEBサイト:https://snapcart.global/indonesians-shopping-behaviour-and-plans-for-ramadan-2025-part-1/

ラマダン中の購入商品予想

インドネシアの調査会社Populix社が2024年12月に実施した購買調査によると、2025年の購入予想の商品カテゴリは以下の通りです。

1位 食料品
2位 衣服
3位 家具
4位 電子機器
5位 バイク

調査回答者の87%が、ラマダン期間中に食料品を購入すると回答しています。

その理由として、多くの人が日没後の食事のために食料を確保する必要があると答えています。

また、購入予定の具体的な食品カテゴリとして、米・油・砂糖などの主食、肉や卵などのたんぱく質食品、飲料、断食明けに食べるお菓子などが挙げられています。

食料品の購入場所としては、ミニマーケット、市場、最寄りの食料品店と回答した人が多く、ECサイトで購入すると答えた割合は20%にとどまりました。

この結果から、インドネシアでは食料品はオンラインよりも実店舗での購入を検討している人が多いことが分かります。

一方、電子機器を購入する予定と回答した割合は7%にとどまっています。

電子機器の中でも、ラマダン期間中に特に多く購入される製品はスマートフォンです。

購入場所の傾向として、食料品とは異なり、オンラインで購入すると回答した人が74%を占めています。

参考WEBサイト:https://info.populix.co/reports/perilaku-belanja-di-bulan-ramadan-2025

2大ECサイトのキャンペーン

TokopediaおよびTikTok Eコマースのコミュニケーション部門責任者であるアディティア・グラシオ・ネルワン氏によると、2025年のインドネシアにおけるECサイトの売り手の数は前年より40%増加していることが分かっています。

これにより、インドネシアの消費者にとって商品の選択肢がさらに広がることが予想されます。

以下は、2025年のラマダン期間中に実施される2大ECサイトのキャンペーン内容です。

Shopee

インドネシアにおいて市場シェア率38%を誇るShopeeでは、毎年恒例の「Shopee Big Ramadan Sale(BRS)2025」キャンペーンが開催されています。

このキャンペーンは、1年を通してもShopee最大級のセールイベントとなります。

<期間>

2025年2月25日〜3月31日

<内容>

・100%割引クーポンの配布(12時〜16時)

・対象商品が無料で獲得できるゲーム

・送料無料キャンペーン

また、「Shopee Mudik SALE」という特別企画では、レバラン(Mudik)時の帰省に利用できる飛行機、電車、バス、ホテルを割引価格で購入できます。

参考WEBサイト:https://shopee.co.id/m/big-ramadan-sale
https://www.cnnindonesia.com/ekonomi/20250223172259-625-1201522/shopee-big-ramadan-sale-2025-kesempatan-umkm-dan-brand-lokal-bersinar
https://manadopost.jawapos.com/ekbis/285685396/tokopedia-dan-shoptokopedia-ungkap-tren-belanja-jelang-ramadan-hadirkan-ramadan-ekstra-seru-2025

Tokopedia

インドネシアで市場シェア率23%を持つTokopediaでは、ラマダンにちなんだ、「Ramadan Ekstra Seru 2025」キャンペーンを実施しています。

内容は以下の通りです。

<期間>

2025年2月25日〜3月25日

<内容>

・半額セール

・10万ルピア(1,000円)の割引

・送料無料キャンペーン

また、オンラインキャンペーンだけでなく、南ジャカルタ市のショッピングモール「コタカサブランカ」にて、3月13日〜16日の間にオフラインセールイベントが開催され、多数の店舗が出店する予定です。

参考WEBサイト:https://storypreneur.id/2025/02/24/tokopedia-shoptokopedia-bagi-tren-belanja-jelang-ramadan/
https://www.jpnn.com/news/tokopedia-shoptokopedia-hadirkan-lagi-ramadan-ekstra-seru-simak-tren-belanja-jelang-puasa?page=2
https://paymentscmi.com/insights/indonesia-ecommerce-market-data/#:~:text=As%20for%20the%20top%20online,Blibli%20(9%25)

今回のコラムでは、インドネシアにおけるラマダン中の購買予想とEC動向についてご紹介しました。

ラマダン期間中は、食料品や衣類を中心に消費が活発化し、支出が増加する傾向にあります。特に、食料品は実店舗での購入が主流である一方、電子機器などの高額商品はECサイトを利用する消費者が多いことがわかりました。

また、ShopeeやTokopediaをはじめとするECサイトでは、大規模なキャンペーンが展開され、オンラインショッピングの利便性がさらに向上しています。

ラマダンやレバランに向けた消費トレンドを踏まえた販売戦略を立てることで、より多くのビジネスチャンスを生み出せるでしょう。

弊社インドネシア総研は、インドネシアの様々な分野における市場調査、現地視察を行っております。

インドネシアにおけるビジネスにご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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