【コラム】インドネシア総研ジャカルタオフィス国際基準に挑む:BNSP師範資格で次なる高みへ

BNSP認定資格コンテスト
出典:suarananggroe.com
日本に派遣されるインドネシア人労働者の増加は、質の高い人材を育成する大きな機会となっています。技能だけでなく、日本の労働文化にも適応できる人材を育成するうえで、送り出し機関(LPK)の役割が極めて重要である。生徒が日本語や職業倫理を習得し、現場で活躍できるようになる背景には、しばしば見過ごされがちな存在である「講師(先生)」の貢献があります。
インドネシア総研ジャカルタオフィス(Indonesia Research Institute Japan, 以下IRIJ)は、講師に対してインドネシア国家プロフェッショナル認証機関(BNSP)による認証の取得を推進しています。この取り組みは、IRIJの管理下にあるすべてのLPKにおいて、統一されたプロフェッショナル・スタンダードを確立することを目的としています。
また、学校で使用する教材は、講師自身の実体験と日本の産業界のニーズとの関連性を踏まえ、講師自らが厳選しています。その結果、より実践的で現場に即した教育が可能となっています。

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BNSP(インドネシア国家プロフェッショナル認証機関)は標準化された認定制度を通じて、職業能力の質を保証する責任を負う独立機関です。日本語教育の文脈において、BNSP認定の講師を有することは大きな価値をもちます。この資格は、指導能力に加えて、教育手法の理解、職業倫理、そして多様な生徒の個性に対応するための心構えを備えていることを証明するものです。IRIJの指導の下でBNSP資格を取得した講師は、生徒のトレーニングにおいて中心的な役割を果たします。IRIJに加盟するLPKの講師は、単に日本語のレッスンを提供するだけでなく、日本での生活や仕事に早く適応するために不可欠な思考法、礼儀や、整理整頓、職場文化、そして規律を身につけさせる役割も担っています。
標準化された選考・研修システム
IRIJに所属するLPKのもう一つの大きな強みは、厳格かつ多層的な採用・研修プロセスです。すべての候補者は、書類選考、心理テスト(IQテスト、2種類の行動テスト、クレペリン・テストを含む)、心理学者・校長・採用チームによるパネルインタビュー、そして最終的な健康診断という複数のステップを経なければなりません。
このような包括的なアプローチにより、選抜された学生は精神的、身体的、そして学問的に十分な準備が整っていることを保証されます。さらにIRIJでは、「ベスト・タレント・プレリクルート」および「ポストリクルート」システムを導入し、研修前または研修期間中に優秀な成績を収めた学生を選抜しています。実際に、1~2ヶ月で日本語を流暢に話せるようになる生徒も少なくなく、これは講師による高い指導力の成果であると言えるでしょう。


LPK Suenamiの新入生受け入れ
学校経営と支援ネットワーク
IRIJは、インドネシア全土の戦略的な地域において、25年5月時点んで5校以上のトレーニングスクールを運営しています。各校は、専門的な管理チームおよび採用チームによって支援されており、高等学校や職業教育機関と積極的に連携している。このようなアプローチにより、IRIJはデジタルによるアウトリーチと地域パートナーとの協力を組み合わせ、各地から優秀な人材を広く集めることが可能となっています。

IRIJに所属するLPKは、単に人材の数を増やすことに注力するのではなく、看護からエンジニアリングまで、業界のニーズに応じた専門人材の育成と紹介を行っています。これらの取り組みはすべて、「量より質」を重視した教育アプローチに基づいて実施されています。
日本の市場においてインドネシア人労働者への需要が高まるなか、IRIJは、研修プログラムの成功がカリキュラムの内容だけでなく、講師の質にも大きく依存することを実証してきました。BNSP認定を受けた講師を擁するIRIJ所属のLPKは、教育の質を優秀な人材を育成する核として位置付けています。
このモデルは、各産業界の短期的な人材需要に応えるだけでなく、国際的にもインドネシア人労働者への長期的な信頼や評価を積み重ねることに貢献しています。有資格かつ経験豊富な講師の指導により、能力だけでなく、人としても信頼され、称賛される次世代の労働者が育成されつつあります。
インドネシア人材や、インドネシアにおける送り出し・学校事業にご興味がある方は是非お気軽に弊社までお問合せください。


