インドネシアに広がるドローン活用:規制動向と産業への導入 

インドネシアに広がるドローン活用

インドネシアではドローンの活用が急速に広がっており、飛行ルールの整備と産業利用の拡大が進んでいます。

鉱業・農業・物流などさまざまな分野で実用化が進むほか、次世代空モビリティ(AAM)の運用開始も目指されており、市場は今後さらに拡大すると見込まれています。

本コラムでは、インドネシアでのドローン飛行のルールに加え、商用利用の現状、主要企業、等についてご紹介します。

目次

インドネシアでのドローン飛行のルール

インドネシアにおけるドローン規制は、2016年の運輸大臣規制第47号および2018年の政府規制第4号によって定められています。

主なルールは以下のとおりです。

飛行禁止区域

カメラ付きドローンは、制限空域から500m以内での飛行が禁止されています。

制限空域として定められているのは以下の場所です。

  • 大統領官邸
  • 原子力施設
  • 国家重要施設

なお、国家重要施設は「インドネシア共和国の空域の安全に関する政府規制第4号(2018年)第2条」に基づき、国防大臣と運輸大臣の提案・検討を経て大統領により決定されます。

飛行制限区域

以下の制限空域から500m以内の飛行も禁止されています。

  • インドネシア国軍司令部
  • インドネシア国軍空軍基地
  • 軍事訓練場
  • 軍事作戦地域
  • 軍地飛行訓練場
  • 軍事射撃訓練場
  • ロケットおよび衛星発射場
  • 国家元首、政府首脳級の人物による飛行

違反した場合、最大50億ルピアの罰金が課される可能性があります。

空港エリアでの飛行禁止

航空機の運航安全を確保するため、空港周辺の陸上・水上・空域でのドローン飛行は禁止されています。

また、航空交通管制・飛行情報サービス・警報サービスが運用されている管制区域でのドローン飛行も禁止されています。

商業利用時の許可

商業目的でドローンを使用する場合は、事前の許可が必要となります。

特に25kgを超えるドローンを使用する際は注意が必要です。

罰金・刑事罰

上記の規則に違反した場合、1億~50億ルピアの罰金、および1〜5年の懲役が科される可能性があります。

参考WEBサイト:CNN Indonesia「5 Aturan Terbangkan Drone di Indonesia」

インドネシアのドローン産業

インドネシアのドローン市場は成長期に入り、市場規模は以下のように予測されています。

  • 2025年:9,453万ドル
  • 2030年:12,832万ドル

成長要因として、政府がドローン産業育成に積極的に取り組んでおり、特に軍事・国境監視・保安分野での活用が注目されています。

インドネシアにおける商用ドローンの主な用途

若いアジア人技術者が建設現場上空でドローンを飛行させている。土木工事プロジェクトにおける土地・建築現場の測量に無人航空機(UAV)を活用している。
建設現場上空でドローンを飛行

ドローンは、商用ドローンと民生用ドローンに分類され、商用ドローンは以下の分野で活用が進んでいます。

鉱業

環境モニタリング、容積分析、探査、測量にドローンが活用されています。

ドローンの活用により、工業会社は安全性、業務効率向上を測ることができます。

石油・ガス

危険区域や孤立地域にあるパイプライン、フレアスタックその他インフラの点検にドローンが活用されています。

ドローンの活用により、点検コストの削減、ダウンタイムの短縮、作業員の安全性向上に貢献しています。

物流・配送

最寄りの転送拠点と荷物の受取人を結ぶ最後の輸送区間である「ラストマイル配送」への活用が検討されています。

エネルギー

送電線や発電所の点検にドローンが活用されています。

効率性と安全性を高めるだけではなく、危険な環境での点検に伴う危険性を減らすことにつながっています。

農業

熱センサー、マルチスペクトルセンサー、高解像度カメラ等の高機能を搭載したドローンにより、作物の状態を監視し、正確に管理することができます。

それに伴い、灌漑スケジュールの的確な調整、肥料や農薬の適切な散布を行い、収穫量の最大化につながっています。

参考WEBサイト:Knowledge Sourcing Intelligence「Indonesia Drone Market Size, Share, Opportunities, and Trends Report Segmented By Component, Product Type, EU Classified Weight Class, Application, and State – Forecasts from 2025 to 2030」

インドネシアで有名なドローン関連企業

以下は、インドネシアで有名なドローン関連企業です。

Halo Robotics

インドネシア・ジャカルタに拠点を置く大手ドローン企業で、農業から建設まで幅広い業界のニーズに対応する高度なドローン製品を提供しています。

公式WEBサイト:https://halorobotics.com/?srsltid=AfmBOor1IjHLsPPwnJiMxSeIVdalT4Mmv2nCbZ-OPVjiuxsZhMWDtGdb

Terra Drone Indonesia

東京本社のTerra Drone株式会社の子会社で、産業向けドローンサービスに特化しています。建設や農業などの分野で、ドローンによるマッピング、点検、測量などのサービスを提供しています。

※ドローンマッピング:ドローンに搭載されたカメラやセンサーで撮影した画像から、高精度な地図や地形モデルを作成する技術

公式WEBサイト:https://terra-drone.co.id/

MSDI

インドネシアに拠点を置く無人航空機(UAV)ソリューションの専門プロバイダーです。LiDARやRTKなどの先進技術を活用し、高精度な地形測量やマッピングを実現するドローンマッピングサービスに注力しています。

公式WEBサイト:https://www.msdi.co.id/

その他、Frogs Indonesia、DJIなどもインドネシアのドローン市場における有名なドローン関連企業です。

参考WEBサイト:TerraDrone「Terra Drone’s Group Company Terra Drone Indonesia Officially Adopts Bio-Composite Drone Cover Co-Developed with Midwest Composites」
ensun「Top Drone Manufacturing Companies in Indonesia」

次世代モビリティ(AAM)の運用

インドネシア運輸省は、2026年末までに次世代空モビリティ(AAM)の運用開始を目標としています。

2025年時点で、国内メーカー2社がドローン生産の準備を進めていると言われています。

AAMは旅客輸送や物流に利用できる大型ドローンシステムで、運輸省はこれまでに約5,000機の小型ドローンをデジタル登録し、11,000件以上の遠隔相乗証明書を発行しています。

大型ドローンに関する規制は現在策定中ですが、今後のAAM運用に期待が高まっています。

参考WEBサイト:DetikFinance「Pemerintah Siap Buka Langit RI untuk Drone Komersial Akhir 2026」

本コラムでは、インドネシアにおけるドローン活用の現状について解説しました。

ドローンは急速に普及が進む一方、安全運用ルールの理解とインフラ整備が不可欠であり、産業活用を広げるうえで今後も注視すべきポイントとなっています。

インドネシアでのビジネス展開や市場理解のためには、ドローンを含む先端技術・デジタルインフラの動向の把握も必要になってくるでしょう。

弊社インドネシア総研では、ドローン関連規制や産業動向をはじめ、各分野の現地調査・規制調査・市場レポートの提供を行っております。

インドネシア市場でのビジネス展開をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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