インドネシアで拡大する抹茶市場― 市場動向と日本産抹茶に広がる商機

近年、インドネシアでは抹茶人気が高まっています。

オンライン検索における「抹茶」というキーワードの検索数は、2022年に前年比30%増加しており、インドネシア国内で抹茶への関心が高まっていることがうかがえます。

また、2023年には抹茶を使用した料理やドリンクを提供するカフェ・レストランの数が前年比45%増加しました。

本コラムでは、インドネシアにおける抹茶人気の背景と市場動向についてご紹介します。

目次

インドネシアにおける抹茶の市場動向

インドネシアにおける抹茶市場は、2025年に約3億4,000万米ドル規模となり、2031年には約7億9,000万米ドルまで拡大すると予測されています。

現在の市場動向としては、以下のような特徴が挙げられます。

抹茶ベースのラテやスムージー需要の高まり

インドネシアでは、カフェやレストランを中心に抹茶が人気を集めており、抹茶ラテや抹茶スムージーなど、ミルクベースのドリンクとして提供されるケースが増えています。

カフェ文化の発展や健康志向の高まりを背景に、メニューの多様化が進み、幅広い年齢層に抹茶が受け入れられています。

セレモニーグレード抹茶の嗜好

インドネシアでは、健康意識の高い消費者を中心に、オーガニック抹茶の中でも最高級とされる「セレモニーグレード抹茶」が好まれています。

セレモニーグレード抹茶は、茶樹の最も若く柔らかい葉のみを使用しており、伝統的な日本の茶道でも用いられる高品質な抹茶です。

参考WEBサイト:Riching公式サイト「オーガニック抹茶のグレードの違い」

機能性食品・美容製品の原料として活用

インドネシアでは、飲料用途に限らず、プロテインバーやハーブティー、デトックスブレンド(ハーブティーやアロマオイルなど)、フェイスマスク、栄養補助食品など、さまざまな製品に抹茶が使用されています。

抹茶に含まれる抗酸化作用や抗炎症作用は、健康維持やスキンケア、集中力向上を目的とした製品において重要な機能性素材として注目されています。

一般消費者向け・サブスクリプションモデルの成長

インドネシアの抹茶ブランドでは、Eコマースやカスタマイズ可能なサブスクリプションサービスを通じて、抹茶を日常的な健康習慣として取り入れる提案が進んでいます。

インフルエンサーマーケティングとデジタルウェルネス施策

インドネシアでは、インフルエンサーによる抹茶のプロモーションが活発に行われています。

デトックス効果や集中力向上、リラックス効果などがSNSを通じて発信されることで、抹茶の認知度向上や新規ユーザーの獲得につながっています。

参考WEBサイト:Mobility Foresights「インドネシアの抹茶市場規模と予測2031年」

インドネシアにおける抹茶人気の理由

インドネシアで抹茶が支持されている背景には、以下の要因があります。

健康志向の高まり

抹茶には、抗酸化物質であるエピガロカテキンガレート(EGCG)が豊富に含まれており、健康に良い飲料として注目されています。

若い世代のライフスタイルと一致

インドネシアの若い世代の間で健康的なライフスタイルや美意識の高まりが抹茶とマッチしており、人気拡大の要因となっています。

ジャパンディへの関心の高まり

日本と北欧の文化を融合させた「ジャパンディ」への関心の高まりを背景に、日本のライフスタイルや食文化を取り入れる動きがインドネシアで広がっています。

参考WEBサイト:linkumkm公式サイト「インドネシアにおける抹茶トレンド現象」

セルフブランディングとしての若者の抹茶ブーム

世代別にみると抹茶の消費量が最も多いのは、ミレニアル世代とZ世代(18~35歳)の若い世代であることがわかっています。

インドネシアではジャカルタ、バンドン、スラバヤ、バリといった大都市が抹茶ブームの中心地となっており、多くのカフェやレストランで多様な抹茶メニューが提供されています。

若い世代にとって抹茶の”味”を楽しむ飲み物であるだけではなく、SNSおけるセルフブランディングの一部としても機能しています。

カフェ巡りにおいて抹茶を飲む自分自身を「健康意識や美意識が高い人」と位置付けるために、抹茶を飲むという選択をするようです。

参考WEBサイト:UNIVERSITAS UNIVERSAL公式「Z世代の抹茶トレンド:単なる美意識か、本当に健康に良いのか」

インドネシアで人気のある抹茶カフェ

画像:CHONTEA&Co.公式サイト

以下は、インドネシアで人気のある抹茶カフェです。

feel Matcha

インドネシア国内で22店舗を展開する抹茶カフェです。

白と緑を基調とした店内で、気軽に抹茶メニューを楽しむことができます。

看板メニューは抹茶桜シリーズで、抹茶にさくらの風味を加えた独自メニューを展開しています。

価格帯は30,000ルピア(約280円)から65,000ルピア(約610円)とお手頃な価格帯なのに加え、朝10時〜夜10時まで営業している店舗が多く幅広い層に利用されています。

MIRO Matcha House

ジャカルタ周辺に6店舗を展開しています。

「SANA」「HIYORI」「KIREI」の3種類から抹茶を選べる点が特徴です。

抹茶ドリンクに加え、親子丼や日本風カレーなどの日本食も提供しています。

参考WEBサイト:MIRO Matcha House 公式インスタグラム

Uki Matcha House

京都から輸入した抹茶を使用し、創作性の高い抹茶メニューを提供しています。

ジャカルタに2店舗を展開し、白を基調とした洗練された店内が特徴です。

金木犀抹茶やオレンジほうじ茶など、独創的なメニューが人気です。

参考WEBサイト:Uki Matcha House 公式インスタグラム

MTCH / Matcha & Sando Bar

北スマトラ州メダンにある抹茶カフェで、同地域で最初にオープンした抹茶専門店です。

日本庭園を思わせる内装装飾とモダンなデザインが融合した空間で、抹茶ラテや抹茶フラッペ、抹茶チーズケーキが人気です。

日本産の高級抹茶を使用し、伝統的な抹茶の点て方も取り入れています。

参考WEBサイト:Matcha&Sando Bar 公式インスタグラム

CHONTEA&Co.

バリ島で創業し、現在はバリおよびジャカルタで8店舗を展開する高級抹茶店です。

和の要素を取り入れた洗練された空間で、抹茶を点てる体験型メニューなども提供しています。

体験型メニューは高価格帯ですが、観光客を中心に高い人気を集めています。

また、ワークショップ開催や店舗コンサルティング、抹茶の小売など、幅広い事業を展開しています。

参考WEBサイト:CHONTEA&Co.公式サイト

その他にも、ジャカルタ周辺を中心に様々な抹茶カフェが存在しています。

参考WEBサイト:Otten COFFEE公式サイト「インドネシアの抹茶カフェブランド10選と抹茶ビジネスインサイト」

また、最近はジャカルタにて、日本で特にインバウンドに人気の抹茶カフェ「The Matcha Tokyo」がオープンしました。The Matcha Tokyoは最高品質のオーガニック抹茶をカジュアルなスタイルで提供するカフェで、ジャカルタでも早速注目を集めています。

The Matcha Tokyo Indonesia公式インスタグラム

写真:The Matcha Tokyo Indonesia公式インスタグラムより

今回のコラムでは、インドネシアにおける抹茶についてご紹介しました。

インドネシアでは、健康志向や美容意識の高まりを背景に、抹茶市場が拡大しています。

抹茶は単なる飲料ではなく、ライフスタイル価値を持つ商品として受け入れられており、日本産抹茶には高い付加価値が期待できます。

今後は、飲食店向け原料供給や加工食品・美容分野での活用、現地ブランドとの協業など、さまざまな形でのビジネス展開が見込まれます。

弊社インドネシア総研では、最新の現地情報の提供から、現地調査・市場レポートの作成まで幅広く対応しております。

インドネシア市場でのビジネス展開をご検討の際には、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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