【コラム】インドネシアの主要都市-2025年最新版-

インドネシアは、スマトラ島、ジャワ島、スラウェシ島、カリマンタン島、パプア島(ニューギニア島の一部)を含む17,000以上の島々と2億8,160万人の人口からなる世界最大の群島国家です。面積は1,904,569平方キロメートル(735,358平方マイル)と日本のおよそ5倍以上の、世界で14番目に大きい国です。本コラムでは、2025年におけるインドネシアの主要都市の人口状況等をご紹介いたします。
インドネシアの主要な6つの島とタイムゾーン
インドネシアには多くの島がありますが、その中でも主な島としてはスマトラ島、ジャワ島、バリ島、カリマンタン島、スラウェシ島、パプア島の6つの島が挙げられます。現在の首都ジャカルタはジャワ島に、新首都ヌサンタラはカリマンタン島に位置しています。

インドネシアは東西に長いため、国の中に三つのタイムゾーンが存在しています。
・WIB(Waktu Indonesia Barat:インドネシア西部標準時)
スマトラ島、ジャワ島、カリマンタン島の西部。
UTC+7、日本より2時間遅れている。
・WITA(Waktu Indonesia Tengah:インドネシア中部標準時)
バリ島、スラウェシ島、カリマンタン島の東部。
UTC+8、日本より1時間遅れている。
新首都のヌサンタラもここに含まれる。
・WIT(Waktu Indonesia Timur:インドネシア東部標準時)
マルク諸島、パプア島など。
UTC+9、日本と同じ。
インドネシアの各エリアにおける人口の割合
インドネシアでは、10年に一度「人口センサス(Sensus Penduduk)」という国勢調査を実施しています。最新の2020年の人口センサスによると、インドネシアの各エリアにおける人口の割合は以下の図の通りです。

出典:インドネシア中央統計庁(BPS)、Sensus Penduduk 2020(インドネシア国勢調査2020)
https://www.bps.go.id/id/pressrelease/2021/01/21/1854/hasil-sensus-penduduk-2020.html
首都ジャカルタやスラバヤなどの大都市を複数抱えるジャワ島は特に人口が多く、日本の本州の半分程度の面積でありながら、インドネシアの総人口2億7000万人の人口の半分以上、1億5000万人以上がジャワ島に集まっています。
対照的に、大小約1,000の島々が横に長く連なるヌサトゥンガラやマルク諸島、インドネシア最大の州パプアなどは、広範囲にわたるものの、全体に占める人口の割合は非常に低く、ビジネス等でもあまり検討されることのないエリアとなっています。
人口100万人以上の大都市
以下の表は、2020年時点で100万人以上の人口を保有するインドネシアの都市の一覧です。人口100万人を超える大都市は15都市あり、その多くがジャワ島に集中していることが分かります。以下の表には含まれていませんが、ご参考までに、日本人を含む外国人も多く住み人気の観光地であるバリ島の人口は、4,317,404人です。

インドネシアの代表的な都市とその特徴
・ジャカルタ
インドネシア共和国の首都であり、政治・経済の中心拠点です。東南アジア最大のインターナショナル都市として世界中のビジネスマンが集まる場所です。在留邦人数も1万人を超えています。
・スラバヤ
インドネシア第2の商業都市です。砂糖、タバコ、コーヒーを輸出するインドネシアでも最大級の港町であり、貿易都市としての一面も持っています。
・メダン
スマトラ島に位置するインドネシア第3の都市。地理的な条件から古くより民族交流が盛んで、貿易と物流の拠点として栄えている商業都市です。
・マカッサル
スラウェシ州の南部、南スラウェシ州の首都で、かつては香辛料貿易の中心的な交易地でもあったインドネシア東部最大の都市です。港町で海鮮も有名です。
新首都「ヌサンタラ」について

2024年に第一段階となる政府機関の移転が概ね完了したインドネシアの首都移転計画は、20年以上かけて完全な移転が行われる、今世紀のインドネシアにおける一大プロジェクトです。移転先となるのは、ジャカルタから約1200キロ離れたカリマンタン島東部の「ヌサンタラ(Nusantara)」です。ヌサンタラは、カリマンタン島の東州都バリクパパン(Balikpapan)と石油都市サマリンダ(Samarinda)の、湾岸部の2大都市に挟まれた場所に位置しています。カリマンタン島は、「ボルネオ島」の名前でも親しまれていますが、インドネシアでは一般的に「カリマンタン島」の名称が用いられています。
上記の人口分布(図2)において、 2020年時点では人口割合の低いことが見て取れるカリマンタン島ですが、この都市移転計画により、今後際立って人口が増加していくことが予想されています。現在、東カリマンタン州都のバリクパパンすらも70万人に満たない人口規模ですが、政府の計画では、最終的にヌサンタラには約200万人が移住する見通しです。
インドネシア首都移転の目的には、次のようなものがあります。
- ジャカルタへの一極集中解消(現人口過密は東京の約2.4倍)
- 交通渋滞や大気汚染などの環境問題の改善
- 地盤沈下による洪水のリスク回避
- 地方格差および経済格差の是正
この首都移転計画は20年にもわたる国を挙げての大掛かりなプロジェクトですが、第一段階となる大統領官邸や大臣の住居など政府機関の移転はほぼ完了しており、2024年8月17日には、初めて独立記念日の式典が行われました。今後はおよそ五年間に渡り、第二段階となるヌサンタラ内のシェアオフィスの開発が行われる予定です。

弊社インドネシア総合研究所は、現在東京のほか、インドネシアではジャカルタに拠点を構え、インドネシア全土にネットワークを有しております。上記でご紹介した主要都市はもちろん、それ以外のエリアへの進出や現地調査も可能でございます。ご興味がある方は是非お気軽にお問合せくださいませ。

