【コラム】インドネシアの家具事情と人気のローカルブランド3選

インドネシアは世界最大級の木材産出国であり、その質も高いことから家具産業も盛んです。一般社団法人日本家具産業振興会の調べによると、2021年の日本におけるインドネシアからの木製家具の輸入額は日本円で約122億円でした。日本においてもインドネシアからの輸入家具は高品質なイメージが強く、またそのデザインの独自性からインドネシア家具専門の会社も多くあります。今回のコラムではインドネシアの家具市場の概況、家具に用いられる木材、そしてインドネシアのローカル家具ブランドをご紹介いたします。

参考:https://jfa-kagu.jp/wp-content/themes/furniture/pdf/2021%20import%20japanese.pdf

インドネシアにおける家具市場

(出典:Databoksデータより弊社作成)

インドネシアは豊富な熱帯雨林を有し、丸太の生産量は世界第1位で、合板の生産量も中国、インドに次ぐ第3位の生産量である木材大国です。そのため、家具産業も非常に盛んであり、インドネシアの家具業界は14万3000人以上の雇用吸収力を持ち、111万4000社以上の企業が家具業界に参入しています。また、2021年の家具輸出額は28億米ドルに達し、前年比33%増加しました。インドネシア家具の主な輸出先はアメリカ、日本、オランダ、イギリス、フランスです。インドネシア家具が日本人にとっても身近なものであることがよく分かります。このようにインドネシアの家具市場は巨大で、成長し続けていることから、インドネシア政府は2024年までに50億米ドルの家具産業の成長を目標にしています。

参考:https://databoks.katadata.co.id/datapublish/2022/03/01/ekspor-furnitur-indonesia-capai-rp-286-triliun-as-pasar-terbesar
https://ekon.go.id/publikasi/detail/5008/tingkatkan-kualitas-dan-daya-saing-produk-pemerintah-bidik-pasar-ekspor-industri-furnitur-makin-luas
https://www.rinya.maff.go.jp/j/boutai/yunyuu/attach/pdf/itto-6.pdf

インドネシアの家具に用いられる主な木材

以下は、インドネシアの家具に用いられる主な木材3種類です。


【チーク】
チーク材はジャワ島とマドゥラ島での生産が盛んです。その色はダークブラウンをしており、硬い材質です。表面は天然の油分で覆われており、手入れが簡単です。しかしながら、チーク材は水分量が多く乾燥に時間を要することなどから、家具として使用できるまでに時間がかかるため、販売価格が他の木材と比較すると高価になる傾向にあります。

【ソノケリン(ローズウッド)】
ソノケリン材はローズウッドとも呼ばれ、ジャワ島で主に生産されています。その色は紫色から黒色で、繊維は縞模様であることが特徴的です。樹木の成長がはやく、表面が滑らかで比較的加工が容易であることから、チーク材などと比較すると価格は安価です。家具のほかに楽器などにも用いられています。

【ソンカイ】
ソンカイ材はスマトラ島とカリマンタン島で豊富に産出されます。その色は黄色がかっており、ざらざらとした凹凸があり、木材としては軽いです。ソンカイ材は主に窓やドア、椅子やテーブルなどにも用いられています。一方で、他の木材と比較すると柔らかめであることから、害虫などの被害にさらされやすいです。

参考:https://www.kompas.com/skola/read/2021/02/05/201429969/jenis-kayu-dalam-pembuatan-mebel-dan-furniture?page=all
https://furu-tani.co.jp/blog/column016/
https://wp1.fuchu.jp/~kagu/mokuzai/sono.htm
https://www.rumah.com/panduan-properti/kayu-sungkai-45738

インドネシアの家具のローカルブランド

次に、インドネシアで人気の家具のローカルブランドを3つご紹介します。

【Informa】

Informaは2004年に設立され、「one stop shopping」をコンセプトに事業展開しています。「手ごろな価格で革新的そして耐久性のあるデザイン」をコンセプトに商品開発をしており、35,000種類以上の商品を販売しています。現在インドネシアの49都市に110を超える店舗と展開しており、その最大の店舗はタンゲランのLiving World Alam Sutera内にあり、その総面積は25,000㎡以上です。

画像引用・参考:https://www.kawanlamagroup.com/brand/informa

【Vivere】

Vivereは2003年に設立されたブランドです。Vivereの家具はすっきりとしたラインで、アジア風の装飾をほどこしたモダンなデザインが採用されています。ナチュラル、モダン、クラッシック、ミニマリストなど幅広いデザインの家具を販売しています。また、無垢材やラタンなど高品質の素材も使用されています。Vivereのショールームはジャカルタ、タンゲラン、スラバヤ、バリにあります。

画像引用・参考:https://www.vivere.co.id/
https://www.viverecollection.com/blog/post/vivere-south78

【Uwitan】

Uwitanは2015年にジョグジャカルタで設立されたブランドです。Uwitanの家具にはインドネシアの合法木材として認定された無垢材のみが使用されています。派手な装飾や色を用いないシンプルなデザインは時代に左右されず、長い間愛用することができます。Uwitanのショールームはジョグジャカルタのみにありますが、Shopee、Tokopedia、Bukalapak、Qlapa、Lazadaなどオンラインストアからも購入可能です。

画像引用・参考:https://uwitan.id/
https://uwitan.id/product/sejajar-shoe-bench/
参考:https://www.idntimes.com/life/family/klara-livia-1/merek-furnitur-lokal?page=all

家具とあわせてインドネシアの住宅のデザインに関する詳細は関連記事「【コラム】インドネシアにおける住宅デザインの流行サイクル」をご覧ください。また、家具の装飾などにも用いられるインドネシアの木彫りなどの伝統工芸品に関しても「【コラム】魅力あふれるインドネシアの伝統工芸品」でご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。

関連記事:


今回のコラムでは、インドネシアの家具市場の概況、よく使用されるインドネシア原産の木材、インドネシアの家具のローカルブランドをご紹介いたしました。インドネシアは豊富な熱帯雨林を有する国であることから、木材生産が世界最大規模であり、また木材加工製品の生産も盛んです。インドネシアは木材の他にもコメ、ピーナッツ、大豆などの生産も盛んな農業大国です。弊社はインドネシア全土に広大なネットワークを持つため、「はちみつ」「チョコレート」「コーヒー」などの食品やインドネシアの豊富な「燃料」「紙・木材といった素材」をはじめとした天然資源、その他アブラヤシなどのインドネシアの天然産品の輸入等、皆様のビジネスをお手伝いさせて頂くことができます。
これらインドネシアビジネスに興味のある皆様からのお問合せをお待ちしています。

関連コラム:

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-6804-6702

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

記事のシェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次