【コラム】インドネシアにおけるトウモロコシの生産量 

トウモロコシは小麦、お米と並んで世界の三大穀物と言われています。

また、食料としてだけでなく家畜の飼料としても広く使用されています。

世界でトウモロコシの生産量が多い国はアメリカですが、世界と比較してインドネシアのトウモロコシの生産量はどのようになっているのでしょうか。

今回のコラムでは、インドネシアにおけるトウモロコシの生産量についてご紹介します。

目次

インドネシアにおけるトウモロコシの収穫面積と生産量(2023年)

インドネシアの中央統計局(BPS)によると、2023年におけるインドネシアのトウモロコシの収穫面積は249万ヘクタールと推定されており、2022年の収穫面積と比較すると10.3%減少しています。

また、トウモロコシの生産量は1,446万トンと推定され、2022年と比較して12.5%減少していることがわかっています。

インドネシアにおけるトウモロコシの生産量の推移

以下は、インドネシアにおけるトウモロコシの生産量の推移です。

出典:BPS Luas Panen dan Produksi Jagung di Indonesia 2023 を基に弊社作成(2024年9月8日)
https://www.bps.go.id/id/pressrelease/2023/10/16/2049/luas-panen-dan-produksi-jagung-di-indonesia-2023–angka-sementara-.html

上図より、過去4年間で2022年の生産量が一番多いことがわかります。

2023年の生産量は前年と比較すると減っているものの、2020年、2021年と比較すると増加しています。

参考WEBサイト:https://www.bps.go.id/id/pressrelease/2023/10/16/2049/luas-panen-dan-produksi-jagung-di-indonesia-2023–angka-sementara-.html

インドネシアのトウモロコシの生産量は世界で13位

以下は、2023年2024年におけるトウモロコシの生産量の国別ランキングです。

出典: Global corn production in 2023/2024, by countryを基に弊社作成(2024年9月8日)
https://www.statista.com/statistics/254292/global-corn-production-by-country

一番多いのは、圧倒的にアメリカで約3億8,970万トンの生産量を誇ります。

2位は中国で約2億8,840万トン、3位はブラジルで約1億2,700トンの生産量です。

上位3国が億を超える生産量を誇っていることがわかります。

インドネシアは、カナダの次で世界で13位の生産量となります。

上位の国と比較すると生産量は少ないですが、ASEAN諸国の中では一番多いことがわかります。

参考WEBサイト:https://www.statista.com/statistics/254292/global-corn-production-by-country/

インドネシアでトウモロコシの生産量が多い州上位5つ

以下は、インドネシア国内でトウモロコシの生産量が多い州上位5つです。

出典:BPS Luas Panen, Produksi, dan Produktivitas Jagung Menurut Provinsi, 2022-2023を基に弊社作成(2024年9月8日)
https://www.bps.go.id/id/statistics-table/2/MjIwNCMy/luas-panen–produksi–dan-produktivitas-jagung-menurut-provinsi.html

上図より、2023年においてインドネシアでトウモロコシの生産量が一番多いのは、東ジャワ州で約443万トンの生産量を誇ります。

これは、インドネシア全体のトウモロコシの生産量の約3割を占めています。

また、次に多いのは中央ジャワで、生産量は約224万トンです。

そして北スマトラ、西ヌサトゥンガラ、ランプンと続きます。

参考WEBサイト:https://www.bps.go.id/id/statistics-table/2/MjIwNCMy/luas-panen–produksi–dan-produktivitas-jagung-menurut-provinsi.html

インドネシアのトウモロコシの国内需給

インドネシアの国家食糧庁によると、インドネシアの2023年のトウモロコシの需要は1,570万トンで、そのうち国内生産が1,379万トン、輸入119万トンで賄われることがわかっています。国内の生産量だけでは、需要を賄うことができていないのが現状です。

また、インドネシアのトウモロコシの需要のうち75%は動物の飼料で23%は非飼料、食品産業として使用され、残りは家庭消費、種子として使用されています。

参考WEBサイト:https://journal.ipb.ac.id/index.php/agro-maritim/article/view/52420

トウモロコシの生産拡大のためのインドネシア政府による取り組み

トウモロコシは動物飼料の主原料として使用されており、インドネシア国内の食糧安全保障を保つうえで政府としても生産に力を入れていきたい作物のひとつです。

そこで、インドネシア政府はパプア、東ヌサトゥンガラなどの指定の地域で新しくトウモロコシ農地を開拓することで生産量を上げる取り組みをおこなっています。

また、収穫量を上げるために遺伝子組み換えのトウモロコシの種子を活用することを推奨しています。

その他に、銀行融資が利用できる農業機械の開発や、トウモロコシ農家への肥料の提供を行なっています。

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は何度もトウモロコシ畑への視察へ赴いており、今後も政府として生産に力をいれていく作物であると言えます。

参考WEBサイト:https://setkab.go.id/presiden-dorong-upaya-peningkatan-produksi-jagung-nasional/
https://setkab.go.id/presiden-jokowi-apresiasi-peran-petani-tingkatkan-produksi-jagung/

今回のコラムでは、インドネシアにおけるトウモロコシ畑の消費量とについてご紹介しました。

トウモロコシは、食用以外に飼料として広く使われており、肉や卵の生産量を高めることにも繋がる重要な作物であることがわかります。

弊社インドネシア総研は、インドネシアの様々な分野における市場調査、現地視察を行っております。

インドネシアにおけるビジネスにご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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