【コラム】世界第5位のコーヒー生産国インドネシア ~スマトラ島を中心とする主要生産地と今後の課題~

米国農務省(USDA)のデータによると、インドネシアはブラジル、ベトナム、コロンビア、エチオピアに次ぐ世界第5位のコーヒー生産国であり、世界のコーヒー総生産量の約5%を占めています。
本コラムでは、インドネシアのコーヒーの現状と今後の展望についてご紹介します。
インドネシアのコーヒー生産量
2023年のインドネシアのコーヒー生産量は75.8万トンで、前年より1万6240トン減少しました。
インドネシアのコーヒーの生産量は2018年から2022年にかけて増加傾向にあり、2022年にピークを迎えましたが、2023年は減少に転じています。
生産量減少の主な要因としては、気候変動による異常気象(大雨や長期的な干ばつ)、害虫被害、植物の病気などが挙げられます。
このような状況は、インドネシア国内にとどまらず、世界のコーヒー市場にも影響を及ぼしており、国際的なコーヒー価格の上昇を招いています。
インドネシアの州別コーヒーの生産量
インドネシアにおいて最もコーヒーの生産量が多いのは、南スマトラ州で、生産量は20万7,320トンに達します。これはインドネシア全体の生産量の約27.32%を占めます。
次いで、ランプン州(15万261トン)、リアウ州(9万859トン)が上位を占めており、これらの州はすべてスマトラ島に位置しています。
これにより、スマトラ島がインドネシアにおける主要なコーヒー生産地域であることがわかります。
インドネシアのコーヒーの輸出量
2023年のインドネシアのコーヒー輸出量は27万9,000トン、輸入量は4万90トンで、引き続き貿易黒字となりました。
輸出量は前年と比べ約15万トンの減少となったものの、輸出額は9億1,650万ドルと高い水準を維持しています。
これは、生産量減少による供給不足が背景にあり、国際的なコーヒー価格の高騰を反映していると考えられます。
また、インドネシア産コーヒーの主要輸出先としては、アメリカ、エジプト、マレーシア、
インド、イタリアとなります。
インドネシアのコーヒーの消費の特徴
米国農務省(USDA)のデータによると、2023/2024年度のインドネシア国内におけるコーヒーの消費量は479万袋(1袋60kg)に達しており、2020年以降連続で増加を続けています。
増加している要因としては、以下が挙げられます。
- コーヒーショップの増加:国内企業による出店が進み、店舗数拡大
- ライフスタイルの変化:若者を中心にコーヒーがライフスタイルの一部として取り入れられるように
- 製品の多様化:消費者の嗜好に応じて、様々な味やパッケージの商品が登場
さらに、2023年に行われたSnapchatの調査によると、4,538人の調査対象者のうち79%の人が1日に1回以上コーヒーを飲んでいると回答しています。
コーヒーを飲む時間帯は朝6時〜9時が最も多いものの、日中を通して満遍なく分布しており、時間を問わずコーヒーが楽しまれている様子がうかがえます。
このことから、インドネシアにおいてコーヒーを飲む文化が浸透していることがわかります。
参考WEBサイト:https://snapcart.global/indonesias-coffee-consumption-trends-in-2023/
https://santinocoffee.co.id/data-konsumsi-kopi-di-indonesia-terbaru
インドネシアで人気のあるコーヒーチェーン
Snapchatの同じ調査によると、よく利用されているコーヒーチェーンは以下の通りです。
Janji Jiwa(回答者の50%が利用)
2019年にオープンして以来、驚異的なスピードで拡大し、インドネシアで一番の店舗数を誇るコーヒーチェーン店
Starbucks(回答者の38%が利用)
インドネシアの他のコーヒーチェーンと比較すると、価格帯は高いですがスターバックスブランドはインドネシアでも人気
J.co(回答者の21%が利用)
コーヒー以外の商品にも力を入れており、ショッピングモールの中に入っているコーヒーチーンとして有名
Excelso(回答者の16%が利用)
1991年にオープンしたインドネシアで一番老舗のコーヒーチェーン店
Dankin Donuts(回答者の13%が利用)
アメリカ発祥のドーナツのファストフード店で、ドーナツ以外にコーヒーも人気
上記の回答より、インドネシアのコーヒーチェーンJanji Jiwaと答えた割合が最も多いことがわかります。
また、その他にも様々なコーヒーチェーンが利用されていることがわかります。
World of Coffee Jakarta
2025年5月15日(木)〜17日(土)にかけて、インドネシア・ジャカルタにてコーヒー業界の見本市「World of Coffee Jakarta」が開催されました。
このイベントには、生産者、焙煎業者、バリスタ、機器メーカーなど、国内外のコーヒー業界関係者約15,000人が参加しました。
大規模な会社だけではなく、小規模の焙煎会社が来場者と直接交流する機会も多く設けられ、コーヒー業界におけるビジネス拡大の貴重な場となったようです。
このようなイベントからも、インドネシアにおいてコーヒー産業は非常に重要なポジションであると言えるでしょう。
参考WEBサイト:https://asia.worldofcoffee.org/
https://voi.id/ja/lifestyle/482308
今回のコラムでは、インドネシアのコーヒー生産、輸出入、消費についてご紹介しました。
インドネシアは世界第5位のコーヒー生産国でありながら、他の主要生産国と比較すると、生産性や品質管理、サプライチェーンの効率といった面に課題を抱えています。
今後は、これらの課題を克服し、安定的な供給体制の確立と輸出競争力の強化が求められます。
また、コーヒー産業はインドネシア経済にとって重要な収入源であり、GDPの約16%を占める主要産業でもあります。
そのため、インドネシアのコーヒー産業を持続可能にすることは、インドネシア政府にとって急務と言えるでしょう。
弊社インドネシア総研では、現地市場の動向調査からビジネス展開のご支援まで、幅広いサービスを提供しております。
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