インドネシアの気候を徹底解説!気温・季節・地域ごとの違いとは?

赤道直下に位置するインドネシアは、日本と違い四季がなく一年中温暖な気候に恵まれています。
本コラムでは、インドネシアの気候についてご紹介します。
インドネシアの平均気温
2024年のインドネシア全体の平均気温は27.5℃となり、1981年以降で最も高い数値を記録しました。
以下は2024年におけるジャカルタと東京の月別平均気温です。
| 月 | ジャカルタ | 東京 |
|---|---|---|
| 1月 | 27.9℃ | 7.1℃ |
| 2月 | 27.7℃ | 8.0℃ |
| 3月 | 27.7℃ | 9.6℃ |
| 4月 | 28.3℃ | 17.1℃ |
| 5月 | 28.6℃ | 20.0℃ |
| 6月 | 28.0℃ | 23.1℃ |
| 7月 | 27.9℃ | 28.7℃ |
| 8月 | 28.6℃ | 29.0℃ |
| 9月 | 28.7℃ | 26.6℃ |
| 10月 | 29.6℃ | 20.6℃ |
| 11月 | 28.6℃ | 13.7℃ |
| 12月 | 28.0℃ | 8.1℃ |
上記より、インドネシアでは一年を通して気温の変化が小さいことがわかります。
また、ジャカルタと東京を比較すると、意外にも日本の夏(7月・8月)はジャカルタより平均気温が高いことが確認できます。
参考WEBサイト:https://www.bmkg.go.id/iklim/anomali-suhu-udara-rata-rata-tahun-2024
https://time.luft.co.jp/id/weather/asia/indonesia/jakarta/temperature
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/monthly_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2024&month=&day=&view=a2
インドネシアの季節と気候
インドネシアの気候には大きく3つの特徴があります。
1. モンスーン気候
インドネシアは季節風(モンスーン)の影響を強く受ける地域です。そのため、乾季と雨季の2つの季節に分けられます。
乾季(4〜10月)
降雨量が1ヶ月あたり60mm未満と比較的少なく、日差しが強いのが特徴です。
雨季(11〜3月)
乾季に比べて降雨量が多く、曇りや雨の日が多くなります。
ただし、日本の梅雨のように長く雨が続くのではなく、スコールのように突然の大雨が降り、しばらくすると止むケースが一般的です。
2. 熱帯気候
赤道直下に位置するため、年間を通じて高温多湿で日射量も豊富です。
ほとんどの地域で安定した気温と降水が見られます。
3. 海洋性気候
インドネシアは大小1万7,000以上の島々からなる島国で、周囲を海に囲まれています。
そのため、海洋の影響を強く受け、年間を通じて比較的温暖で安定した気候が保たれています。
参考WEBサイト:https://rri.co.id/lain-lain/1215352/kenali-pola-iklim-di-indonesia
インドネシアで一番暑い地域と寒い地域
国土が広いインドネシアでは、地域ごとに気温の差があります。
以下はインドネシアで一番暑い地域と寒い地域上位3つです。
<暑い地域>
パレンバン 南スマトラ州
乾季には35℃に達することもあります。標高が低く海岸に近いため、涼しい風が届きにくく、体感温度はさらに高く感じられます。
スラバヤ 東ジャワ州
乾季には34〜36℃に達する日も多い都市です。インドネシア第2の都市で、都市化が進み緑が少ないことから、暑さがより厳しく感じられます。
マカッサル 南スラウェシ州
乾季には35℃近くまで上がります。海岸沿いに位置していますが、本土から吹き込む熱風の影響で、市内はさらに暑く感じられます。
<寒い地域>
ムリア パプア州
海抜2,448mを超える高地にあり、夜間は9℃まで下がり、氷点下になることもあります。
ブラスタギ 北スマトラ州
標高1,220mに位置し、最低気温は16℃前後。涼しい気候のため観光地として人気があります。
バトゥ 東ジャワ州
海抜1,700mに位置し、最低気温は13℃まで下がります。涼しい気候を活かし、観光地として知られるほか、リンゴ栽培も盛んです。
その他の涼しい地域
西ジャワ州のバンドンは「インドネシアの軽井沢」と呼ばれる避暑地で、平均気温は約23℃。過ごしやすい気候のため、国内観光客に人気があります。
このように、インドネシアでは最も暑い地域と最も涼しい地域で大きな気温差があることがわかります。
参考WEBサイト:https://kumparan.com/sejarah-dan-sosial/5-kota-terpanas-di-indonesia-2024-yang-buat-keringat-mengucur-tanpa-henti-23dBoZf3DyN/3
https://kumparan.com/berita-terkini/3-kota-paling-dingin-di-indonesia-lengkap-dengan-fakta-menariknya-24vAZ48XmdO/full
インドネシアの異常気象の要因
近年、インドネシアでは乾季の始まりが遅れ、雨季が短くなるといった異常気象が問題視されています。
降雨量の減少は農作物の収穫に大きな影響を及ぼし、食料供給や経済にも懸念が広がっています。
インドネシアの異常気象の主な要因としては、以下が挙げられます。
エルニーニョ現象
太平洋中部および東部の海面水温が上昇することにより発生する地球規模の異常気象です。
インドネシアでは降水量が大幅に減少し、気温の上昇につながっています。
気候変動
化石燃料の燃焼や産業活動により温室効果ガスが増加し、地球温暖化が進行しています。
その結果、従来の気候パターンが変化し、異常気象が頻発しています。
都市化の進行
地方から都市部への移住により人口が集中し、都市部ではヒートアイランド現象が発生しやすくなっています。
また、コンクリート建築の増加や緑地の減少により、気温上昇がさらに顕著になっています。
地理的要因
赤道直下に位置するため、一年を通じて日照量が多く、基礎的に気温が高くなりやすい地域特性があります。
インドネシアは一年を通じて温暖な気候が続きますが、エルニーニョやラニーニャの影響を大きく受けやすい地域です。
これにより、干ばつや豪雨などの異常気象が発生し、農業やインフラ、日常生活にまで影響を及ぼしています。
近年ではその傾向が強まっており、気候変動への対応が急務となっています。
参考WEBサイト:https://tirto.id/suhu-terpanas-di-indonesia-fakta-rekor-dan-daerah-paling-panas-hbfi
https://www.bmkg.go.id/siaran-pers/musim-kemarau-2025-mundur-dan-berdurasi-lebih-pendek-bmkg-perubahan-pola-iklim-harus-disikapi-dengan-adaptasi-bijak
今回のコラムでは、インドネシアの気候についてご紹介しました。
インドネシアは一年を通して温暖な気候で日照量・降雨量が安定していますが、近年は異常気象が問題視されていることがわかりました。
インドネシアの気候を理解することは、現地の人々の暮らしを知るうえで重要であると同時に、新しい市場機会を見出すカギにもなるでしょう。
ここ数日でインドネシアは雨季に入ったと報じられており、各地でスコールの影響による洪水なども報道されています。現地にご滞在中の方やご渡航予定がある方はご移動に十分お気を付けください。
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