【コラム】インドネシアの最新SNS事情

「インドネシアでもインターネットの普及が進んでいるらしい。SNSも人気で、これからインドネシアに向けてPRやセールスをしていくのであればSNS戦略が欠かせないはず」

インドネシアに興味をお持ちの皆さんは、既にこのような認識をお持ちなのではないでしょうか?しかし、現地で暮らす人たちが肌で感じている現状というのはなかなか掴みにくいものです。

今回はインドネシアにおけるインターネット・SNSの基本情報に加え、インドネシアの現役学生に行ったインタビュー内容もご紹介します。

インドネシアのインターネット普及率

2017年時点でのインドネシアの人口は約2億6540万人です。そのうちのおよそ50%、約1億3270万人のインドネシア人がインターネットを利用しているという統計が出ています。

日本の2016年時点のインターネット普及率は83.5%ですが、利用者数に換算すると1億84万人ですので、すでにインドネシアにおけるインターネットの利用者「数」は日本よりも多いと言えるでしょう。

また、成人のうち91%が携帯電話(スマートフォン含む全てのタイプ)を、60%がスマートフォンを利用しています。もう少し詳しくみていきましょう。

インターネット利用者の年齢別割合

インターネット利用者層の第一位は19歳~32歳の若者で、全体の49.52%を占めています。この世代にとってのインターネットは日常生活から切り離せないものとなっており、おなじみの「ユーチューバー(Youtuber)」や「インフルエンサー(Influencer)」、インドネシアならではの職業ではインスタグラム上で活躍する「セレブグラム(Selebgram)」など、ネット上で活躍する職業はこの世代から誕生しています。

利用者層の第二位は35~54歳の中年層で29.55%、第三位は13~18歳のティーンエージャーで16.68%、最後は54歳以上の層で4.24%です。

また、WeAreSocial.netとHootsuiteが発表したデータによると、インドネシアでのフェイスブック(Facebook)利用者率は41%、インスタグラム(Instagram)は38%、ツイッター(Twitter)は27%でした。

 

SNSの利用率と新しい使われ方

SNSは写真や文章を投稿し、オンライン上でコミュニケーションを楽しむツールですが、インドネシアではクレジットカードが日本ほど普及しておらず、またWEBサイトを所有していない、もしくは整備していない企業なども少なくなく、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSを販売チャネルとした「SNSコマース」が珍しくありません。

弊社スタッフの知人で、インドネシアでファッションデザイナーをされている方々も、WEBサイトなどは持たず、フェイスブックやインスタグラムを通じて物販を行っています。

前述の通り、SNSの特徴のひとつに、「セレブグラム」や「インフルエンサー」と呼ばれる人たちの存在があります。どちらの言葉も「多くのフォロワーを持ち、企業から商品の宣伝やイベントへの出席等を依頼される、影響力のある人たち」を指しますが、セレブグラム は活動の場がインスタグラムである人達を指すのに対し、インフルエンサーは他のSNSやブログなどで活動する人のことも指します。

インドネシアでは、セレブグラム/インフルエンサーが商品を宣伝することを「エンドースメント(Endorsement)」と呼んでおり、これはインスタグラム上でかなり頻繁に見かけます。セレブグラム/インフルエンサーはジャンルごとに存在し、食べ物ならこの人、コスメならこの人、といったように各ジャンルの有名人がいます。

セレブグラム/インフルエンサーは基本的に商品の宣伝(PR)だけを行いますが、商品販売(セールス)までをも行う個人/企業アカウントも存在します。こちらは投稿ページを活用し、商品の宣伝から注文受付までインスタグラム上で行っています。

インドネシアの現役大学生に聞いた、リアルSNS事情

実際のトレンドやSNS毎の使い分けとは、一体どんなものでしょうか?
利用者数、アカウント数といった数字はいたるところで見かけますが、データでは見つけにくい、「インドネシアの若者が肌感覚で語る最新事情」をご紹介します。

今回は、フェイスブック、インスタグラム、ツイッター全てのアカウントを持ち、使い分けているというインドネシアの現役学生に3大SNSの特徴について語ってもらいました。

フェイスブック
“私や同年代の友人は、以前に比べフェイスブックへ投稿する頻度が減りました。しかし昔の同級生や先生などの古い知人・友人はフェイスブックだけで繋がっている人も多いので、頻度は減っても状況に応じて利用しています。

フェイスブックに投稿する内容はあまり日常的なものではなく、大きいイベントがあった時や記念写真、選挙に関する話題など、特別なものが多いですかね。また、断食月には「ブカ プアサ ブルサマ(Buka puasa bersama)」と呼ばれる、一日の断食が明けた後の友人との会食の様子などを投稿することもあります。それ以外にフェイスブックを使うのは、ニュース記事などのシェアをする時とかですかね。

インスタグラム
“最近の若者が最も頻繁に利用しているのはインスタグラムだと思います。私も友人も、投稿頻度はインスタグラムが最も多いです。しかし先生など年配の人たちはフェイスブック派が多く、インスタを使っている人は周りにあまりいない印象です。

インスタグラムは、日常的な写真を投稿するのに使っています。特別な何かだけではなく、生活の中のちょっとしたことも気軽に投稿していますよ。”

ツイッター
“個人的に、昔ほどの勢いはないと感じますが、フェイスブックやインスタグラムとは違った使い方をしています。

ツイッターでは、共通の趣味やお気に入りのアーティストがいる人同士で繋がり、コミュニケーションを取ることがありますね。リアルでは面識のない相手とも、です。

また、写真の投稿をすることはあまりなく、文字がメインです。

企業広告が掲載されることはありますが、インフルエンサー が行うエンドースメントや商品販売はあまり見かけません。”

これからのインドネシア向けSNS対策

いかがでしたでしょうか。もちろんインタビューに答えてくれた彼女とは違う見解を持つ人もいるかと思いますが、今回私記載した内容は他のインドネシア人からもよく聞くものでした。これからインドネシア向けのPR・セールスを行う方は、ぜひ参考にしてみてください。

インドネシア総研は、インドネシアに向けたPR・セールスを行う企業様のサポート実績が多数ございます。

日々変化する現地事情を理解したスタッフが対応させていただきますので、どんなことでもお気軽にお問い合わせください。

株式会社インドネシア総合研究所
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Tel: 03-5302-1260

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