インドネシアの平均寿命と高齢化:進む長寿化と年金制度の課題

インドネシアでは近年、平均寿命が着実に伸び続けており、それに伴い人口の高齢化も加速しています。

高齢者人口は今後も増加が見込まれ、年金制度の拡充や社会保障の強化が重要なテーマとなりつつあります。

本コラムでは、インドネシアの平均寿命の推移、州別の特徴、高齢化の現状、年金制度についてご紹介します。

目次

インドネシアの平均寿命

以下はインドネシアの平均寿命の推移です。

インドネシア中央統計局「Statistik 80 Tahun Indonesia Merdeka」「Indeks Pembangunan Manusia (IPM) Indonesia tahun 2025」を基に弊社作成(2025年11月16日)

上図より、1980年から2025年まで毎年平均寿命が伸びていることがわかります。

また、2025年時点でのインドネシアの平均寿命は74.47歳で、前年より0.32歳寿命が伸びています。

インドネシアの州別平均寿命

以下は、2025年のインドネシアの州別平均寿命です。

平均寿命(歳)
アチェ州73.48
北スマトラ州74.19
西スマトラ州74.69
リアウ州74.74
ジャンビ州74.39
南スマトラ州74.58
ブンクル州73.59
ランプン州74.71
バンカ・ブリトゥン諸島州74.46
リアウ諸島州75.46
ジャカルタ特別州76.27
西ジャワ州75.53
中央ジャワ州75.24
ジョグジャカルタ特別州75.64
東ジャワ州75.36
バンテン州75.33
バリ州75.46
西ヌサトゥンガラ州72.60
東ヌサトゥンガラ州72.16
西カリマンタン州74.28
中央カリマンタン州74.01
南カリマンタン州74.49
東カリマンタン州75.28
北カリマンタン州73.68
北スラウェシ州74.44
中央スラウェシ州71.10
南スラウェシ州74.15
南東スラウェシ州72.06
ゴロンタロ州71.06
西スラウェシ州71.44
マルク州71.02
北マルク州71.47
西パプア州68.76
南西パプア州70.31
パプア州70.77
南パプア州68.71
中央パプア州68.38
山岳パプア州67.55

州別で見ると、全国平均の74.47歳を上回る州は 38州中14州のみ で、その多くがジャワ島に集中しています。

最も平均寿命が高いのは ジャカルタ特別州(76.27歳) で、次いで ジョグジャカルタ特別州(75.64歳)、西ジャワ州(75.53歳) と続きます。

一方、平均寿命が低い州は東部地域に偏り、最も低いのは 山岳パプア州(67.55歳) です。

この平均寿命の地域差は、主に医療アクセスの格差に起因すると考えられます。

ジャワ島では開発が進み医療環境が充実している一方、東部地域では医療施設や人材が不足している地域が多く、保健サービスへのアクセスが限定的です。

参考WEBサイト:
BPS”Indeks Pembangunan Manusia (IPM) Indonesia tahun 2025 mencapai 75,90, meningkat 0,88 poin dibandingkan tahun sebelumnya yang sebesar 75,02.”
GoodStat”10 Provinsi dengan umur harapan hidup terendah 2025″

インドネシアにおける高齢化の進行

インドネシア中央統計局(BPS)のデータによると、インドネシアは平均寿命の上昇に伴い、2021年以降本格的に人口高齢化の段階へ入りました。

2015年〜2024年の10年間で、高齢者(60歳以上)の割合は約4%増加し、全人口の12%に達しています。

さらに、2045年には高齢者人口が6,582万人となり、総人口の20.31%を占めると予測されています。

これは、いわゆる「高齢社会」に分類される水準であり、インドネシアも急速に高齢化が進むことが分かります。

一方で、高齢者が健康で労働参加を続けられる環境が整えば、インドネシアは“第二の人口ボーナス期”を迎える可能性も期待されています。

参考WEBサイト:BPS”Statistik Penduduk Lanjut Usia 2024″

インドネシアの年金制度

労働省によると、2015年の政府規則第45号に基づき、年金支給開始年齢は2022年に58歳、2025年には59歳へと引き上げられることが定められています。

インドネシアで運用されている主な年金基金は以下の通りです。

国家年金基金(JP) 
雇用社会保障機関(BPJS)が提供する労働保険の中の年金保障。強制加入。

雇用者年金基金(DPPK)
企業が従業員のために設ける年金基金。拠出金は従業員と企業の双方から支払われ、加入者は企業従業員に限定。

金融機関年金基金(DPLK)
銀行または生命保険会社が運営する年金基金。誰でも加入可能。

しかし、これらの制度が存在するにも関わらず、年金制度への参加率は依然として低水準にあります。

労働力約1億4,400万人のうち、強制加入者はわずか 2,360万人にとどまっています。

そのため、強制年金・任意年金を合わせた年金資産は、2024年時点で GDPの6.8%(約1,500兆ルピア)にしか達しないと予測されています。

経済発展とともに平均寿命がさらに伸びていくと見込まれる中、年金制度の参加率向上と老後所得保障の強化は、今後の大きな課題と言えるでしょう。

参考WEBサイト:
BRIdepan”Sejarah dan Perkembangan Dana Pensiun di Indonesia”
Allianz”Dana Pensiun: Kenali Fungsi, Jenis, dan Contoh Perhitungannya”
KOMPAS.com”Kepesertaan dan Aset Dana Pensiuan RI Masih Rendah, Kalah dari Malaysia”
Kementerian Ketenagakerjaan Republik Indonesia”Kemnaker Tegaskan Usia Pensiun Pekerja Telah Diatur dalam Peraturan Perundang-Undangan”

今回のコラムでは、インドネシアの平均寿命の推移、年金制度の現状についてご紹介しました。

経済発展により平均寿命は伸び続けていますが、地域格差や年金制度への参加不足など、今後解決すべき社会保障面の課題も残されています。

インドネシアでのビジネス展開や市場理解には、現地の最新動向を正確に把握することが、ますます重要になっています。

弊社インドネシア総研では、各分野の現地調査・情報提供をサポートしております。

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