インドネシアの平均寿命と高齢化:進む長寿化と年金制度の課題

インドネシアでは近年、平均寿命が着実に伸び続けており、それに伴い人口の高齢化も加速しています。
高齢者人口は今後も増加が見込まれ、年金制度の拡充や社会保障の強化が重要なテーマとなりつつあります。
本コラムでは、インドネシアの平均寿命の推移、州別の特徴、高齢化の現状、年金制度についてご紹介します。
インドネシアの平均寿命
以下はインドネシアの平均寿命の推移です。

上図より、1980年から2025年まで毎年平均寿命が伸びていることがわかります。
また、2025年時点でのインドネシアの平均寿命は74.47歳で、前年より0.32歳寿命が伸びています。
インドネシアの州別平均寿命
以下は、2025年のインドネシアの州別平均寿命です。
| 州 | 平均寿命(歳) |
|---|---|
| アチェ州 | 73.48 |
| 北スマトラ州 | 74.19 |
| 西スマトラ州 | 74.69 |
| リアウ州 | 74.74 |
| ジャンビ州 | 74.39 |
| 南スマトラ州 | 74.58 |
| ブンクル州 | 73.59 |
| ランプン州 | 74.71 |
| バンカ・ブリトゥン諸島州 | 74.46 |
| リアウ諸島州 | 75.46 |
| ジャカルタ特別州 | 76.27 |
| 西ジャワ州 | 75.53 |
| 中央ジャワ州 | 75.24 |
| ジョグジャカルタ特別州 | 75.64 |
| 東ジャワ州 | 75.36 |
| バンテン州 | 75.33 |
| バリ州 | 75.46 |
| 西ヌサトゥンガラ州 | 72.60 |
| 東ヌサトゥンガラ州 | 72.16 |
| 西カリマンタン州 | 74.28 |
| 中央カリマンタン州 | 74.01 |
| 南カリマンタン州 | 74.49 |
| 東カリマンタン州 | 75.28 |
| 北カリマンタン州 | 73.68 |
| 北スラウェシ州 | 74.44 |
| 中央スラウェシ州 | 71.10 |
| 南スラウェシ州 | 74.15 |
| 南東スラウェシ州 | 72.06 |
| ゴロンタロ州 | 71.06 |
| 西スラウェシ州 | 71.44 |
| マルク州 | 71.02 |
| 北マルク州 | 71.47 |
| 西パプア州 | 68.76 |
| 南西パプア州 | 70.31 |
| パプア州 | 70.77 |
| 南パプア州 | 68.71 |
| 中央パプア州 | 68.38 |
| 山岳パプア州 | 67.55 |
州別で見ると、全国平均の74.47歳を上回る州は 38州中14州のみ で、その多くがジャワ島に集中しています。
最も平均寿命が高いのは ジャカルタ特別州(76.27歳) で、次いで ジョグジャカルタ特別州(75.64歳)、西ジャワ州(75.53歳) と続きます。
一方、平均寿命が低い州は東部地域に偏り、最も低いのは 山岳パプア州(67.55歳) です。
この平均寿命の地域差は、主に医療アクセスの格差に起因すると考えられます。
ジャワ島では開発が進み医療環境が充実している一方、東部地域では医療施設や人材が不足している地域が多く、保健サービスへのアクセスが限定的です。
参考WEBサイト:
BPS”Indeks Pembangunan Manusia (IPM) Indonesia tahun 2025 mencapai 75,90, meningkat 0,88 poin dibandingkan tahun sebelumnya yang sebesar 75,02.”
GoodStat”10 Provinsi dengan umur harapan hidup terendah 2025″
インドネシアにおける高齢化の進行

インドネシア中央統計局(BPS)のデータによると、インドネシアは平均寿命の上昇に伴い、2021年以降本格的に人口高齢化の段階へ入りました。
2015年〜2024年の10年間で、高齢者(60歳以上)の割合は約4%増加し、全人口の12%に達しています。
さらに、2045年には高齢者人口が6,582万人となり、総人口の20.31%を占めると予測されています。
これは、いわゆる「高齢社会」に分類される水準であり、インドネシアも急速に高齢化が進むことが分かります。
一方で、高齢者が健康で労働参加を続けられる環境が整えば、インドネシアは“第二の人口ボーナス期”を迎える可能性も期待されています。
参考WEBサイト:BPS”Statistik Penduduk Lanjut Usia 2024″
インドネシアの年金制度
労働省によると、2015年の政府規則第45号に基づき、年金支給開始年齢は2022年に58歳、2025年には59歳へと引き上げられることが定められています。
インドネシアで運用されている主な年金基金は以下の通りです。
国家年金基金(JP)
雇用社会保障機関(BPJS)が提供する労働保険の中の年金保障。強制加入。
雇用者年金基金(DPPK)
企業が従業員のために設ける年金基金。拠出金は従業員と企業の双方から支払われ、加入者は企業従業員に限定。
金融機関年金基金(DPLK)
銀行または生命保険会社が運営する年金基金。誰でも加入可能。
しかし、これらの制度が存在するにも関わらず、年金制度への参加率は依然として低水準にあります。
労働力約1億4,400万人のうち、強制加入者はわずか 2,360万人にとどまっています。
そのため、強制年金・任意年金を合わせた年金資産は、2024年時点で GDPの6.8%(約1,500兆ルピア)にしか達しないと予測されています。
経済発展とともに平均寿命がさらに伸びていくと見込まれる中、年金制度の参加率向上と老後所得保障の強化は、今後の大きな課題と言えるでしょう。
参考WEBサイト:
BRIdepan”Sejarah dan Perkembangan Dana Pensiun di Indonesia”
Allianz”Dana Pensiun: Kenali Fungsi, Jenis, dan Contoh Perhitungannya”
KOMPAS.com”Kepesertaan dan Aset Dana Pensiuan RI Masih Rendah, Kalah dari Malaysia”
Kementerian Ketenagakerjaan Republik Indonesia”Kemnaker Tegaskan Usia Pensiun Pekerja Telah Diatur dalam Peraturan Perundang-Undangan”
今回のコラムでは、インドネシアの平均寿命の推移、年金制度の現状についてご紹介しました。
経済発展により平均寿命は伸び続けていますが、地域格差や年金制度への参加不足など、今後解決すべき社会保障面の課題も残されています。
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