【コラム】インドネシアジャカルタの若者の失業問題とインドネシア総合研究所の取り組み

インドネシアの首都ジャカルタでは、若者の失業率の上昇が深刻な社会問題になっています。

若くて労働力人口の多いインドネシアにおいて、首都ジャカルタでの失業問題は、政府や企業にとっても重要な関心事です。

本コラムでは、ジャカルタの失業の現状と、弊社インドネシア総研が行っている取り組みについてご紹介します。

目次

ジャカルタの失業者数の推移

2024年にインドネシアの中央統計局(BPS)が発表したデータによると、2023年のジャカルタ首都特別州の失業者数は354,496人に達しました。

以下は、2021年から2023年のジャカルタにおける失業者数の推移です。

出典:KOMPAS Pengangguran di Jakarta Capai 354.496 Orang, Didominasi Usia Mudaを基に弊社作成(閲覧日:2025年6月30日)
https://www.kompas.com/edu/read/2024/10/04/071909571/pengangguran-di-jakarta-capai-354496-orang-didominasi-usia-muda

2021年は新型コロナウイルスの影響で失業者数が増加し、2023年にかけて失業者数は減少していることがわかります。

しかし、依然として多くの人が職に就けていないのが現状です。

ジャカルタのエリア別の失業者数

失業者のうち、ジャカルタのエリア別の内訳は以下の通りです。

出典:KOMPAS Pengangguran di Jakarta Capai 354.496 Orang, Didominasi Usia Mudaを基に弊社作成(閲覧日:2025年6月30日)
https://www.kompas.com/edu/read/2024/10/04/071909571/pengangguran-di-jakarta-capai-354496-orang-didominasi-usia-muda

一番失業者が多いのは東ジャカルタで、他の地区と比較しても圧倒的に失業者数が多いことがわかります。

次に多いのは、西ジャカルタで、北ジャカルタ、南ジャカルタと続きます。

東ジャカルタは工業地帯として知られるブカシやチカランへつながる場所で、工場もいくつか点在しています。

西ジャカルタと北ジャカルタは華僑や華人が多く住む場所で、華僑のビジネス・生活の中心地となっています。

南ジャカルタは、ボンドック・インダーをはじめとする高級住宅街や、海外からの駐在員が多く住む地域です。

ジャカルタの失業者の70%が若者

ジャカルタの失業者のうち、70%が15〜29歳の若年層であることがわかっています。

さらに、15〜29歳の若者の労働者のうち約18%の若者が失業しています。

背景として、以下のような要因が挙げられます。

  • 産業ニーズとのミスマッチ:取得した学歴やスキルが、現場のニーズと合っていない
  • 教育コストの高さ:質の高い高等教育を受けるための学費負担が大きい
  • 就職機会の減少:特にパンデミック以降、採用枠が減少傾向

参考WEBサイト:https://data.goodstats.id/statistic/pengangguran-di-jakarta-sentuh-355-ribu-orang-mayoritas-usia-muda-73Neo
https://www.kompas.com/edu/read/2024/10/04/071909571/pengangguran-di-jakarta-capai-354496-orang-didominasi-usia-muda

ジャカルタ州の取り組み

こうした状況に対し、ジャカルタ州政府は以下の施策を進めています。

  • 19〜24歳の高校・専門学校卒業生を対象にした職業訓練の優先受け入れ
  • 就職フェアの開催

これにより、産業界のニーズに対応できる即戦力人材の育成を目指しています。

また、ジャカルタでは30歳以上になると多くの職種で実務経験や専門スキルが必須となる一方、30歳未満の若者は比較的スキル要件が緩やかなため、若いうちからの「スキル習得」が今後さらに重要視されるでしょう。

参考WEBサイト:https://megapolitan.kompas.com/read/2025/05/18/13403131/disnaker-jakarta-lowongan-kerja-lebih-banyak-untuk-usia-di-bawah-30-tahun

インドネシア総研の取り組み

日本では、少子高齢化による深刻な人材不足が課題となっています。

一方、インドネシアでは若者の失業問題が課題です。

この双方の社会課題を解決する手段として、弊社インドネシア総研では以下の取り組みを行っています。

日本語学校の運営(特定技能・技能実習向け)

インドネシア人若者の日本就労に向けた支援として、質の高い日本語教育を提供しています。

渡日前に、言語・文化・生活面の十分な準備を整えることで、日本での早期定着とスキル習得を促進します。

< 学校の特徴>

  • JLPT N2以上の高い指導力を持つ講師陣
  • コンピテンシー(実務能力)重視の教育設計
  • 実践型日本語カリキュラム
  • インドネシア有名大学との提携による教育品質保証

これにより、他校との差別化を図り、即戦力となる人材育成を実現しています。

日本語学校設立支援事業

さらに弊社では、インドネシア国内で日本語学校を新たに立ち上げたい企業様向けに「学校設立支援サービス」を提供しています。

弊社が運営している日本語学校の強みを活かした学校設立が可能です。

カリキュラム設計・講師採用・運営ノウハウ・許認可手続きまで、ワンストップでサポートいたします。

ご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

以下より詳細をご確認いただけます。

今回のコラムでは、インドネシア・ジャカルタにおける失業問題と、弊社インドネシア総研の取り組みについてご紹介しました。

インドネシアの若者失業問題と、日本の少子高齢化による人材不足は、いずれも両国にとって大きな社会課題です。

その双方の課題をつなぐ形で、「人材育成」や「日本語教育」「現地雇用支援」は非常に需要のある取り組みと言えるでしょう。

また、弊社では現地市場の動向調査からビジネス展開支援、さらに教育・人材育成事業に至るまで、幅広いサービスをご用意しております。

インドネシアでの事業展開や人材活用にご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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