学歴より資格?インドネシア人材の競争力を左右する”国際認証”とは

インドネシア中央統計局(BPS)が発表した2026年2月のデータによりますと、インドネシアの就業人口は男性が60.10%を占め、大部分が都市部(61.09%)に集中しています。年齢別では35〜44歳が最も高い割合(22.93%)となっており、学歴別では就業者の35.49%が小学校以下の卒業者となっています。このデータから、インドネシアは生産年齢人口を中心とした豊富な労働力を有している一方で、国内外を問わず競争が激化する産業のニーズに応えるためには、教育・訓練を通じた人材の質の向上が引き続き求められていることが分かります。

一方、失業者についても男性が62.90%を占め、都市部(73.81%)に集中する傾向が見られます。失業者全体のほぼ半数(49.00%)を15〜24歳の若年層が占め、28.00%が高校卒業者であることから、若い世代が就労において依然として課題を抱えていることがうかがえます。

インドネシアの就業者数と失業者数に関するデータ
出典: bps.go.id

この状況は、労働者の能力と産業界のニーズとの間に存在するギャップを示すものです。したがって、職業教育の強化、能力ベースの訓練の実施、そして日本をはじめとする海外への労働者派遣を含む就労機会の拡大は、インドネシアの労働力の競争力向上と失業率の低下を同時に実現するための戦略的な取り組みといえます。

目次

認証が労働市場競争を左右する重要な要素に

競争が激化する労働市場において、企業は技能に加え、産業界に認められた能力の証明を持つ人材を求めるようになっています。国境を越えた労働力の流動性が高まるなか、企業は求める職務基準に合致した人材の選定を、これまで以上に厳格に行う傾向にあります。

これまでインドネシアでは学歴が採用プロセスにおける主な判断基準とされてきましたが、現在では多くの企業が、特定分野における能力を示す追加的な指標として専門的な資格・認証を重視するようになっています。認証とは、候補者が測定可能な評価プロセスを経て、業界が定める能力基準を満たしていることを保証するものです。

こうしたニーズは、介護(caregiver)、ビルクリーニング、物流、製造業、情報技術、さらには運輸といった、国際的な労働基準を持つ分野で特に高まっています。このような背景のもと、訓練機関や認証センターの存在は、国際レベルで通用する人材を育成するうえで重要な役割を担っています。

こうしたアプローチを展開する機関の一つに、PT BUMA International Group, Tbk(IDX:DOID)傘下企業であるPT BISA Ruang Nuswantara(BIRU)が挙げられます。BIRUは産業界のニーズに基づく職業訓練の提供に加え、国内外の労働市場のニーズに応じた認証を取得できるテストセンター機能も備えています。

Pearson VUEとは?グローバル認証における役割

BIRUが提供する施設の一つが、Pearson VUEを通じた国際標準試験へのアクセスです。Pearson VUEという名称は、日本ではまだあまり馴染みがないかもしれませんが、実は世界最大級のコンピューターベース試験(CBT)提供機関の一つです。

Pearson VUE(Virtual University Enterprises)は、専門・学術・産業分野における様々な認証のためのコンピューターベース試験(CBT)サービスを提供する企業です。このシステムは、標準化された安全な試験を実施するため、世界各国の数千の組織で活用されています。

Pearson VUEのプラットフォームを通じて、受験者は選択した分野に応じた能力試験を受けることができます。試験は一定の基準を満たしたテストセンターにおいてデジタル形式で実施され、受験者の本人確認、厳格な監督、客観的な採点の仕組みを通じて試験の公正性が保たれるよう設計されています。

試験の形式は認証の種類によって異なり、選択式問題、ケーススタディ、業務シミュレーション、特定の技術能力試験などが用いられる場合が多くなっています。試験終了後、結果は各認証実施団体の規定に従って処理されます。

合格と判定された受験者が取得する認証は、就職活動やプロフェッショナルとしての選考プロセスにおいて能力の証明として活用できます。国際基準に基づいているため、Pearson VUEを通じて取得した認証は、企業から見た候補者の信頼性向上に付加価値をもたらします。

BIRUにおいて、この施設は受験者がより広範かつグローバル産業のニーズに沿った能力認定を得るための手段の一つとなっています。

インドネシアで関心が高まる特定技能(SSW)制度

国際認証に加え、インドネシア人労働者の間で関心が高まっている経路の一つに、日本の特定技能(Specified Skilled Worker、SSW)制度が挙げられます。

特定技能は、人手不足に直面する様々な分野の労働力ニーズを満たすために日本政府が導入した制度です。この制度により、特定の技能を持つ外国人労働者は、定められた要件を満たしたうえで合法的に日本で就労することができます。

現在、特定技能制度の対象分野には、介護、ビルクリーニング、製造業、建設、農業、漁業、宿泊、物流、自動車整備などが含まれており、日本国内の労働力ニーズの高まりに伴い、対象分野は今後も拡大していく見込みです。

特定技能制度に参加するためには、受験者は一般的に2種類の主要な評価に合格する必要があります。1つ目は、選択した職種に応じた技術的能力を測る技能試験、2つ目は、日本のプロフェッショナルな職場環境において意思疎通や作業指示の理解ができることを確認する日本語能力試験です。

技能試験の内容は分野ごとに異なります。例えばビルクリーニング分野では、清掃手順、器具の使用方法、労働安全、そして日本国内で適用される衛生基準について試験が行われます。他の分野についても、それぞれの職務内容に応じた試験内容が設定されています。

合格と判定された受験者は合格証を取得し、これが日本での採用・就労プロセスに参加するための要件の一つとなります。この認証は、受験者が日本の産業界および政府に認められた能力基準を満たしていることの証明として機能します。

BIRUは、自社が有する訓練施設およびテストセンターを通じて、インドネシアにおいて受験者がこれらの各段階により体系的に備えられるよう支援しています。

技能だけでは足りない?グローバル企業が求める人材とは

グローバルな産業構造の変化は、企業が人材を探し、評価する方法を変えました。現在、企業は技術的な技能を持つ候補者を求めるだけでなく、国際的な職場環境に適応できる能力、安全基準への理解、良好な労働倫理、そして信頼性の高い認証を通じて自身の能力を示せる人材を求めるようになっています。

こうした状況により、訓練と認証は互いに補完し合う二つの要素となっています。訓練は技能を与え、認証はその技能に対する承認を与えるものです。

国際労働市場へのアクセスを拡大するため、BIRUは弊社インドネシア総研とも提携しています。この提携を通じて、弊社は日本におけるBIRUの代表として、BIRUの訓練プログラムとサービスを日本国内の研修センター、教育機関、そして各企業と結びつける役割を担っています。この協力関係により、日本の産業界のニーズと、BIRUのプログラムを通じて育成されたインドネシア人材との、より良いマッチングが可能になります。

産業に基づいた訓練、テストセンター機能、国際認証、そしてグローバルな提携ネットワークを組み合わせることで、BIRUは能力向上とキャリアの機会拡大を望むインドネシアの人々のために、より明確な道筋を提供することを目指しています。

若い世代、職業教育の卒業生、そしてグローバルな就労競争に備えたいと考えるすべての人々にとって、技能と認証の向上はもはや付加的な選択肢ではなく、未来への重要な投資です。BIRUを通じて、受験者は現在および将来の産業ニーズに応える訓練、認証、そして就労機会へのアクセスを得ることができます。

インドネシア人材の採用や、特定技能・国際認証を活用した人材育成にご関心のある企業様は、ぜひ弊社インドネシア総研までお気軽にご相談ください。BIRUとの連携を通じ、貴社に最適な人材採用・育成のご提案をいたします。

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