インドネシアのパデル人気が急上昇! 市場拡大の背景と今後の可能性

インドネシアでは、これまでバドミントンが最も親しまれてきたスポーツでした。
しかし近年、特に2023年頃からバリ島やジャカルタを中心に「パデル(Padel)」という新しいラケットスポーツが急速に人気を集めています。
本コラムでは、インドネシアでのパデル人気の背景、料金相場、そしてビジネスとしての可能性についてご紹介します。

目次

パデルとは

日本パデル協会(JPA)によると、パデルは1970年代に誕生した、テニスとスカッシュの要素を持ったラケットスポーツです。
コートは、テニスコートよりも小さなコートで四方を強化ガラスと金網で覆われています。
プレー人数は4名で2人組(ダブルス)で対戦します。
2023年時点で、全世界90カ国以上に約5万コートが存在し、競技人口は2,500万となります。

参考:日本パデル協会公式WEBサイト

インドネシアにおけるパデルの歴史と人気の理由

インドネシアでパデルが導入されたのは2010年頃で当初は、ジャカルタやバリ島などの大都市に住むスペインやアルゼンチン出身の移住者コミュニティが広めたのが始まりです。

その後、ヨーロッパや南米でパデルを経験した駐在員や留学生を通じて普及し、2019年末から2020年初頭にかけて急速に広まりました。
現在では、バリ島からジャカルタへと人気が拡大し、都市部では急成長を遂げています。

パデルが人気を集めている理由としては、年齢や体力を問わず楽しめること、少人数で気軽に始められることが挙げられます。
また、ダブルス形式のため社交性やチームワークを高める効果もあり、友人や同僚、家族と楽しむ人が増えています。

さらに、ジャカルタでは朝6時から深夜0時までコートが開放されており、仕事の前後でも気軽にプレーできる利便性も人気の理由です。

参考:
Katadata.co.id「Popularitas Padel Melejit di Indonesia, Bangkrut di Swedia」
kompasiana「Bisnis Padel di Indonesia Akankah Mengikuti Jejak Swedia Atau Justru Berkembang Maju?」

インドネシアのパデル競技人口

国際パデル連盟(IPF)のデータによると、インドネシアのパデル普及率は東南アジアで6番目、世界全体では29番目に位置しています。
近年、都市部を中心に競技人口が増加しており、特に首都ジャカルタではパデル人気が顕著に高まっています。

ジャカルタにあるパデル施設「HOP(House of Padel)」のオーナーによると、2025年1月〜4月にかけて新規プレーヤーが増加し、コートの稼働率も上昇しているとのことです。
また、2024年に開設された同施設では、利用者の約65%が30〜40代で占められ、50〜60代のシニア層やZ世代の若年層の利用も見られるなど、幅広い世代に広がりを見せています。

参考:
kompasiana「Bisnis Padel di Indonesia Akankah Mengikuti Jejak Swedia Atau Justru Berkembang Maju?」
DW.com「Jakarta, ‘Mendadak’ Padel」

パデルにかかる料金

以下は、インドネシアでパデルをプレイする際にかかる主な費用です。

コートレンタル代(ジャカルタ)

・20万〜80万ルピア(約1,850〜7,400円)/時間
※通常は4人で1コートを使用するため、1人あたり約46,000〜185,000ルピア(約460〜1,850円)ほどとなります。

パデルラケット

・レンタル:5万ルピア(約460円)/時間
・購入:150万〜400万ルピア(約14,000〜37,000円)

パデルボール

・15万ルピア(約1,400円)/3個セット

そのほか、パデル専用シューズや動きやすい服装も必要です。
コート代のみであれば比較的手軽に楽しめますが、ラケットやウェアを一式そろえる場合は初期費用が高額になりやすい傾向があります。

参考:Sahabat Pengadaian「Berapa Biaya Main Padel? Ini Estimasi Nominal & Kebutuhannya」

インドネシアのパデルコート数と稼働状況

国際パデル連盟(FIP)の2024年5月時点のデータによると、
インドネシア国内には134のパデルコートが登録されており、これはASEAN諸国全体の約51%を占めます。

さらに、Kumparan BISNISの調査(2025年7月時点)では、ジャカルタ首都圏(ジャボデタベック)で既に運営中のコートが95カ所、建設中または近日オープン予定のコートが89カ所あると報告されています。
このことから、インドネシアでのパデル人気が現在も急速に拡大していることがわかります。

また、利用のピーク時間帯は午前7〜9時および午後6〜9時で、仕事の前後にプレーする人が多い傾向にあります。

参考:
TEMPO「Bisnis Lapangan Padel, Indonesia Teratas di ASEAN」
KumparanBISNIS「Melacak 184 Lokasi Padel di Jabodetabek: 95 Court Tersedia, 89 Sedang Dibangun」

ジャカルタではパデルも娯楽税の対象に

ジャカルタ州政府は、2025年に地方歳入庁長官が定めた規定第257号に基づき、21種類の運動施設に娯楽税を課す方針を打ち出しました。
パデルもこの対象に含まれています。

この規定により、コートレンタル料・予約料・入場券料などのサービスに10%の税金が課せられることになります。
政策の目的は、エンターテインメント業界全体の財政的公平性の確保と事業の透明性向上です。

参考:CNBC Indonesia「21 Jenis Olahraga yang Terkena Pajak Hiburan, Termasuk Padel」

今後のパデル事業の可能性

2023年から始まったパデルブームは、コート建設の増加状況から見ても、2025年現在さらに勢いを増しているといえます。
現在は、急増する需要に対応するためのインフラ整備段階にあるとみられます。

特に、バリ島やジャカルタなど都市部にコートが集中しており、今後は地方都市への展開が進めば、流行は中長期的に定着する可能性もあります。

一方で、現地在住者の声によると、「平日の稼働率が低い施設も出てきている」との指摘もあり、過剰投資や供給過多のリスクには注意が必要です。

今回のコラムでは、インドネシアで人気が急上昇しているパデルの最新の動向についてご紹介しました。
現地の経済・社会の変化を正確に把握することは、ビジネス展開や進出を成功させるうえで欠かせません。

弊社インドネシア総研は、インドネシアの様々な分野における市場調査、現地視察を行っております。
インドネシアにおけるビジネスにご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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