日本の物流業界における人手不足の現状と、インドネシア人材活用の可能性

近年、日本の物流業界では人手不足が深刻化しています。
特にトラックドライバー不足は、国内物流インフラの維持に直結する重要課題です。
一方、インドネシアは人口ボーナス期にあり、若年層が豊富な国です。
本コラムでは、「日本の物流業界における人手不足」という課題を整理し、インドネシア人材活用の可能性について考察します。
日本の物流業界における輸送機関別分担率
日本における国内貨物総輸送量は、2023年時点で年間約41億トンに達し、その中でもトラックによる輸送が一番多いです。
以下は、2023年の輸送機関別分担率です。

上記より、トン数でみるとトラックによる輸送が91.7%を占めており、ほとんどがトラックによる輸送であることがわかります。
また、トンキロベースでみると、以下の通りです。
*トンキロベース=トン数に輸送距離を乗じてその仕事量をあらわした単位。1トンのものを10キロメートル輸送したとき10トンキロとなる。輸送機関の能力やCO2排出量の計算に用いられる。

トンキロベースでみると、トラックの割合は57.1%となります。
輸送距離を含めるトンキロベースの場合は、輸送距離が多い海運・鉄道・航空より少し割合が高くなります。
トンベースでもトンキロベースでも、日本の物流においてトラックによる物流は物流業界の要であることがわかります。
参考WEBサイト:全日本トラック協会公式サイト「日本のトラック輸送産業現状と課題2025」
日本の物流業界における人手不足の現状
トラック運送業は、以下のような構造的課題を抱えています。
- 労働時間が長い
- 所得水準が全産業平均より低い
- 有効求人倍率は全職業平均の約2倍
さらに、平成30年6月改正の「働き方改革関連法」に基づき、自動車の運転業務の時間外労働について年960時間の上限規制が適応されました。 それに伴い、現状のままでいくと2030年には輸送能力が約34%不足する可能性があることがわかっています。
物流業界の人手不足は、もはや一業界の問題ではなく、日本経済全体を左右するインフラ課題といえるでしょう。
参考WEBサイト:国土交通省公式サイト「物流を取り巻く動向と物流施策の現状・課題」
なぜ今、日本の物流業買いにおけるインドネシア人材活用が重要なのか
日本の物流業界における人手不足の解決策の一つとして、インドネシア人材の活用が挙げられます。
その理由としては以下の通りです。
人口ボーナス期による豊富な若年層
以下は、2025年のインドネシアの人口ピラミットです。

上図よりインドネシアの人口ピラミットの下側が膨らんでいる富士型となっており、男女ともに、0〜4歳の層が一番多く65歳以上の人口の割合が低いことがわかります。
インドネシアは現在、若年層の割合が高い人口ボーナス期にあり、日本とは対照的に、生産年齢人口が豊富であることが大きな強みです。
世界2位の日本語学習者数
2024年時点で、インドネシアの日本語学習者数は約73万人と、世界で2位の規模を誇ります。
アニメや漫画などを通して日本文化への関心も高く、日本での就労意欲が強い若者が多いことも特徴です。
参考WEBサイト:国際交流基金公式サイト 2024 年度「海外日本語教育機関調査」結果
技能実習・特定技能の実績
外国人技能実習機構(OTIT)の国籍・地域別技能実習計画認定件数のデータによると、インドネシアの技能実習計画認定数は83,238件で、ベトナムに次2番目に多い国となっています。
また、2023年末までに中長期で日本に住んでいるインドネシア人は14万9,101人に達し、前年と比較し50,236人増加しました。
また、マイナビグローバルが外国人582人を対象に行った調査によると、インドネシア人回答者94.4%が現在の在留資格の有効期限が切れた後も日本で就労したいと回答していることがわかっています。
さらに、特定技能外国人制度に関する認知度調査では、インドネシア人が他国の人々と比較し認知度が最も高いことが明らかになっています。
参考WEBサイト:外国人技能実習機構公式サイト「国籍・地域別 技能実習計画認定件数(構成比)」
OHAYO JEPANG公式サイト「インドネシア国民の90%以上が日本での就労継続を希望」
日本の物流業界との親和性
日本の物流業界、特にトラックドライバーの人手不足においてインドネシアの人材が適している理由として、以下が挙げられます。
日本と同じ左側通行・右ハンドル環境
インドネシアでは、日本と同じく左通行右ハンドルの国です。
また、トヨタ、ホンダ、ダイハツなど日本車のメーカーのシャア率が高くインドネシアと同じ環境下で運転できるため、事故のリスクが軽減されます。
宗教的背景から飲酒習慣が少ない
インドネシアの約90%はイスラム教徒であり、イスラム教ではお酒を飲むことが宗教的に禁止されています。
そのため、飲酒をしないため飲酒運転の心配がいりません。
早朝勤務への適応力
イスラム教徒は、1日に5回お祈りを行います。朝のお祈りは日の出前に行われるため朝起きるのが早く、インドネシアの学校も7時から始まるところがほとんどです。
朝早く起きる習慣があるインドネシア人の生活リズムは、朝5〜6時より始業することも多いトラックドライバーの就業時間ともマッチします。
これらは、トラックドライバー職との親和性を高める要素といえます。
今回のコラムでは、日本の物流業界の人手不足とインドネシア人材の活用についてご紹介しました。
日本の物流業界における人手不足は、構造的かつ中長期的な課題です。
その解決策の一つとして、インドネシア人材活用は現実的な選択肢となり得ます。
ただし、重要なのは単なる採用ではなく、制度理解・送り出し体制・教育設計を踏まえた戦略的な導入です。
弊社インドネシア総合研究所では、日本向け人材育成を目的としたインドネシア国内での職業訓練機関(LPK)設立を推進しております。
また、直近では、インドネシア―日本間での物流×人材の問題を解決すべく、PTDI-STTD(インドネシア陸上交通高等専門学校)とのMOU締結や、労働副大臣との会合など積極的な取り組みを行っております。
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