ビルクリーニング分野で外国人材を受け入れるには?日本・インドネシア双方の制度とBIRUの役割

オフィスフロアでモップ掛け清掃作業を行うスタッフとビルクリーニング機材(日本基準の研修イメージ)

ビルクリーニングとは、オフィスビルやホテル、病院など多くの人が利用する建物の内部を清掃する業務です。この分野では在留資格「特定技能」による外国人材の受け入れが認められており、受け入れ企業には建築物衛生法に基づく登録などの要件が定められています。

ビルクリーニングは、単に建物を掃除するだけの仕事ではありません。衛生基準や求められる技能、外国人材の受け入れに関する仕組みなど、さまざまな制度に支えられて成り立っている分野です。インドネシアのPT BISA Ruang Nuswantara(BIRU)は、自社のBuilding Cleaning Training Centerで、日本製の機材と日本の現場で実際に使われている手法を用い、日本のビルメンテナンス基準に沿った実践的な研修を行っています。

BIRU公式サイト
https://bumainternational.com/biru

目次

外国人材の受け入れに関わる日本の規制:建築物衛生法と特定技能の要件

日本には、ビルクリーニングという業種だけを対象にした法律はありません。この分野に深く関わっているのは、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(建築物衛生法、昭和45年法律第20号)です。同法では、ビルクリーニング事業の登録制度や、建築物の衛生環境の管理などが定められています。特定技能制度でビルクリーニング分野の外国人材を受け入れるには、同法に基づき都道府県知事の登録(建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業)を受けた営業所であることが条件となります。こうした日本の基準を踏まえ、BIRUは受講者が日本の現場で求められる水準を理解できるよう、研修内容を日本の業界基準に合わせています。

なお、特定技能「ビルクリーニング」の対象となるのは、家庭の清掃ではなく、オフィスビルやホテル、病院、公共施設など多くの人が利用する建物内部の清掃業務です。外国人材がこの分野で働くには「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」への合格などが必要で、さらに上位の特定技能2号へ進む道も開かれています。BIRUは、この試験の対策プログラムを提供するとともに、関連する特定技能試験の会場となるテストセンターも運営し、受験準備を支援しています。

インドネシアの規制:人材の送り出しはどのように定められているか

インドネシアには、「ビルクリーニング人材の送り出し」に特化した法律はありません。海外で働く労働者の送り出しは、インドネシア移住労働者(PMI)保護法(2017年法律第18号)と、その実施について定めた2021年政令第59号によって規定されています。これらの法令は、送り出し事業者の要件を含め、PMIの送り出しと保護の仕組みを包括的に定めたものです。なお、BIRUは送り出し機関(P3MI:インドネシア移住労働者配置会社)ではなく、研修と技能開発を担う立場にあります。実際の送り出しは、インドネシアの法令が定める手続きと許認可に従って行われます。

日本のビルクリーニング業界における外国人材の位置づけ

インドネシア人材の受け入れが進んでも、日本のビルクリーニング業務がすべて外国人材に置き換わるわけではありません。業務の運営を担うのは引き続き日本企業であり、外国人材は多様化する職場を支える一員となります。日本政府も、外国人材の適正な受け入れを業界のニーズに沿って進めるため、「ビルクリーニング分野特定技能協議会」を設置しています。

また、厚生労働省は、より責任のある立場を担う人材の育成も含め、ビルクリーニング分野におけるキャリア形成の枠組みづくりを進めています。BIRUは、技能研修や試験対策に加え、実際の職場に入る前に日本の仕事の進め方や基準を学ぶ機会を提供しており、こうした人材育成の入り口を支える役割を担っています。

BIRUとインドネシア総合研究所:インドネシア人材の能力と日本企業のニーズをつなぐ

次なる課題は、試験に合格するインドネシア人材を単に育てるだけでなく、その能力を日本企業のニーズにしっかりと結びつけることです。そこでBIRUは、インドネシア総合研究所と提携し、インドネシア人材を求める日本の企業・団体や、関連分野で事業ニーズを持つ企業とのつながりを広げています。この連携により、インドネシアでの研修と日本の現場のニーズが結びつき、資格取得だけで終わらない人材育成につながることが期待されます。

まとめ

このようにBIRUは、日本基準に基づく研修から、特定技能の資格取得に向けた準備、インドネシア総研との提携を通じた日本企業との橋渡しまでを手がけ、日本とインドネシアをつなぐビルクリーニング人材育成の一翼を担っています。制度面では、インドネシアの法令がPMIの送り出しと保護の仕組みを、日本の法令が技能水準や受け入れ企業の要件を、それぞれ定めています。

インドネシア人材の受け入れや育成について、詳しくは弊社までお問い合わせください。

出典:
出入国在留管理庁「ビルクリーニング分野」:https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/buildingcleaning.html
厚生労働省「制度の概要(ビルクリーニング分野特定技能・育成就労)」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/blc_tokuteiginou01.html
インドネシア移住労働者保護法(2017年法律第18号):https://peraturan.go.id/id/uu-no-18-tahun-2017
インドネシア移住労働者保護の実施に関する政令(2021年政令第59号):https://www.peraturan.go.id/id/pp-no-59-tahun-2021

関連コラム

記事のシェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次