インドネシアの公用語は何語?インドネシア語と地方言語の実態を解説

- インドネシアでは何語が話されていますか?
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インドネシアの公用語はインドネシア語です。一方、地域や民族ごとに多くの地方言語も使用されており、インドネシア教育省の言語開発・育成庁によると、718の地方言語が確認されています。
- インドネシアではどのような地方言語が話されていますか?
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ジャワ語やスンダ語、マドゥラ語、ミナンカバウ語など、地域や民族によってさまざまな地方言語が使用されています。地方言語は単なるインドネシア語の「方言」ではなく、それぞれ独自の語彙や表現を持っています。
- インドネシアでは現在も地方言語が使われていますか?
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はい。BPS(インドネシア中央統計庁)の2024年データによると、10歳以上の人口の75.37%が、家庭内または社会生活において地方言語を使用しています。ただし、使用率には地域によって大きな差があります。
- インドネシアの若い世代も地方言語を使用していますか?
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地方言語は若い世代でも使用されていますが、BPSの調査では年齢が若くなるほど使用率が低くなる傾向がみられます。家庭内で地方言語を使用する割合は、75歳以上では86.72%であるのに対し、5~14歳では67.86%となっており、政府も家庭や教育、文化活動などを通じた地方言語の継承・保護に取り組んでいます。
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インドネシアで定められている公用語はインドネシア語で、インドネシア全土で使用されています。
また、公用語のインドネシア語に加え地域ごとに地方言語が多数存在し、インドネシア教育省の言語開発・育成庁(Badan Pengembangan dan Pembinaan Bahasa)によると718の言語が存在することがわかっています。
今回のコラムではインドネシアで使用されている言語についてご紹介します。
参考WEBサイト:databoks公式サイト「パプアはインドネシアで一番地方言語を持っている」
インドネシア教育省公式サイト「インドネシアの言語データ」
インドネシアの公用語インドネシア語の歴史
インドネシアの公用語であるインドネシア語のルーツは、7世紀から東南アジアの国々で使用されていたマレー語から由来しています。
そのため、インドネシア語とマレー語には似た表現が多数存在しています。
インドネシア語が国家の言語として認められるきっかけとなったのは、1928年10月28日に開催された第二回インドネシア青年会議の際に宣誓された「一つの国家、一つの民族、一つの言語による民族の統一」を謳う青年の誓いです。
一つの言語=インドネシア語を指し、この青年の誓いによりインドネシア語は民族の言語としての地位を得ました。
そして、1945年8月17日の独立宣言後、翌18日に制定された1945年憲法第36条で、現在使用されているインドネシア語が国家の言語として定められました。
1945年に定められた憲法第36条にも「国の言語はインドネシア語である」と示されています。
また、2019年には、インドネシア語の使用について定めた大統領令第63号が制定され、公的な場面をはじめとするインドネシア語の使用に関する規定が整備されています。
参考WEBサイト:KOMPAS公式サイト「インドネシア語の歴史と発展」
インドネシアで話されている言語について
インドネシアでは、公用語であるインドネシア語のほかにも多くの地方言語が話されています。
現在、718の地方言語が確認されており、その分布は地域によって大きく異なります。
地方言語数が一番多いとされている地域はパプアで、パプア州内だけでも326もの言語が存在していると言われています。
以下は、インドネシアで使用されている代表的な地方言語です。
ジャワ語
インドネシアで一番話者数が多い地方言語で、主に、中部ジャワ州、東ジャワ州の住人によって話されています。
敬語表現があり、普通語〜上級丁寧語の5段階に分けられているのもこの言語の特徴です。
スンダ語
ジャワ語に続きインドネシアにおいて2番目に話者数が多い地方言語で、主に、西ジャワ州、バンテン州、中部ジャワの東側の住人によって話されています。
スンダ語の中でも、西部・北部・南部など地方によって多少異なる方言が存在します。
ジャワ語程普通後〜上級丁寧語等の段階に分けられてはいませんが、ジャワ語同様敬語表現はあります。
マドゥラ語
ジャワ語、マレー語、ブギス語、中国語など様々な言語から影響を受けている言語です。
そのため、ジャワ語やマレー語などと似た表現も多くあります。
主に、マドゥラ島、東ジャワの北(ポロボリンゴ周辺の地域)の住人によって話されている言語です。
ミナンカバウ語(ミナン語)
西スマトラ州、リアウ州西部等のミナンカバウの住人によって話されている言語で、オーストロン科のマレー語・ポリネシア語の一つです。
インドネシア語に若干似ている部分もあり、地方言語の中では割と習得しやすい言語でもあります。
ムシ語
ミナンカバウ語と同様に、オーストロネシア語科に属す言語で、南スマトラ州にあるムシ川沿いの住人によって話されている言語です。
その他にも北スマトラ州のアチェで使用されているアチェ語やバリ州やロンボク州で使用されているバリ語などインドネシアの地方言語は多岐に渡ります。
参考WEBサイト:databoks公式サイト「パプアはインドネシアで一番地方言語を持っている」
Backpacker Jakarta 公式サイト「インドネシアで最も広く使われている10の地域言語」
インドネシアにおける地方言語の例
インドネシアの地方言語をいくつか紹介させて頂きましたが、実際に使用されている「単語」はどのように異なるのでしょうか。「ありがとう」という言葉を例に比較していきます。
| 言語 | 「ありがとう」 | 読み方 |
|---|---|---|
| インドネシア語 | Terima kasih | テリマカシ |
| ジャワ語 | Matur suwun | マトゥルスウン |
| スンダ語 | Hatur nuhun | ハトゥルヌフン |
| マドゥラ語 | Sakalangkong | サカランコン |
| ミナンカバウ語(ミナン語) | Tarimo kasih | タリモカシ |
| ムシ語 | Mokaseh | モカセ |
ミナンカバウ語は、インドネシア語に近いですがそれ以外の地方言語はインドネシア語と全く違うことが分かります。
上記の「ありがとう」という一つの表現を比較するだけでも、地方言語によってインドネシア語とは異なる表現が使用されていることが分かります。
インドネシアの地方言語は、単にインドネシア語の地域ごとの「方言」という位置づけではなく、それぞれ独自の語彙や表現を持つ言語です。
そのため、これら地方言語はインドネシアにおける民族ごとの文化の象徴とされています。
参考WEBサイト:detiktravel公式サイト「インドネシアの地方言語で感謝の気持ちを表す」
インドネシアにおける州別地方言語の使用率
以下は、インドネシアの州別の地方言語使用率です。
| 州 | 地方言語使用率 |
|---|---|
| アチェ州 | 76.66% |
| 北スマトラ州 | 46.07% |
| 西スマトラ州 | 95.08% |
| リアウ州 | 58.56% |
| ジャンビ州 | 91.20% |
| 南スマトラ州 | 97.09% |
| ブンクル州 | 94.13% |
| ランプン州 | 72.53% |
| バンカ・ブリトゥン諸島州 | 93.48% |
| リアウ諸島州 | 34.31% |
| ジャカルタ特別州 | 6.30% |
| 西ジャワ州 | 73.46% |
| 中部ジャワ州 | 97.19% |
| ジョグジャカルタ特別州 | 91.44% |
| 東ジャワ州 | 95.36% |
| バンテン州 | 51.15% |
| バリ州 | 88.35% |
| 西ヌサ・トゥンガラ州 | 88.51% |
| 東ヌサ・トゥンガラ州 | 63.27% |
| 西カリマンタン州 | 83.38% |
| 中部カリマンタン州 | 85.10% |
| 南カリマンタン州 | 95.62% |
| 東カリマンタン州 | 29.08% |
| 北カリマンタン州 | 24.98% |
| 北スラウェシ州 | 96.03% |
| 中部スラウェシ州 | 42.29% |
| 南スラウェシ州 | 72.31% |
| 南東スラウェシ州 | 45.12% |
| ゴロンタロ州 | 74.73% |
| 西スラウェシ州 | 70.32% |
| マルク州 | 67.52% |
| 北マルク州 | 84.53% |
| 西パプア州 | 45.73% |
| 南西パプア州 | 19.08% |
| パプア州 | 14.70% |
| 南パプア州 | 51.14% |
| 中部パプア州 | 70.19% |
| 山岳パプア州 | 94.48% |
| インドネシア全国 | 75.37% |
BPS(インドネシア中央統計庁)の2024年データによると、インドネシアでは10歳以上の人口の75.37%が、家庭内または社会生活において地方言語を使用しています。
州による差も大きく、中部ジャワ州では97.19%、南スマトラ州では97.09%である一方、ジャカルタ特別州では6.30%となっています。
参考WEBサイト:BPS公式サイト「家庭内および社会生活において地方言語を使用する10歳以上の人口の割合」
インドネシアにおける年齢別の地方言語使用率

BPS(インドネシア中央統計庁)の調査によると、家庭内で地方言語を使用する割合は、75歳以上では86.72%であるのに対し、5~14歳では67.86%となっています。
年齢が若くなるほど地方言語の使用率が低くなる傾向がみられ、若い世代への地方言語の継承が課題となっています。
インドネシアにおける地方言語の保護
前述のBPS(インドネシア中央統計庁)の調査では、年齢が若くなるほど地方言語の使用率が低くなる傾向がみられます。
地方言語は日常的なコミュニケーションの手段であるだけでなく、それぞれの地域や民族が持つ文化を継承するうえでも重要な役割を担っています。そのため、地方言語を若い世代へどのように継承していくかが課題となっています。
こうした状況を受け、インドネシア教育省では地方言語の保護・継承に向けた取り組みを進めています。
特に、子どもが日常的に言語に触れることのできる家庭は、地方言語を次世代へ継承するうえで重要な役割を担うとされています。
インドネシア教育省は、地方言語の継承に向け、以下のような取り組みを呼びかけています。
- 地方言語による出版物を発行する
- 家庭内で地方言語を使用する
- 演劇や詩など、地方言語を使用する文化活動を行う
- 親子間のコミュニケーションに地方言語を取り入れる
このようにインドネシアでは、家庭や教育、文化活動などを通じて地方言語を日常的に使用する機会をつくり、次世代へ継承していく取り組みが進められています。
地方言語を若い世代へ受け継いでいくことは、言語そのものを守るだけでなく、それぞれの地域や民族が持つ文化やアイデンティティを次世代へ継承していくことにもつながります。
参考WEBサイト: インドネシア教育庁公式サイト「地域言語の保存は家庭環境から始めなければいけない」
今回のコラムでは、インドネシアで使用されている言語についてご紹介しました。
インドネシアでは、公用語であるインドネシア語に加え、地域や民族ごとに多様な地方言語が使用されています。また、地方言語は単なるコミュニケーションの手段ではなく、それぞれの地域や民族の文化を継承するうえでも重要な役割を担っています。
インドネシアでビジネスを行う際には、共通語であるインドネシア語だけでなく、地域によって異なる言語や文化的背景について理解しておくことも大切です。
訪問する地域の簡単な挨拶や感謝の言葉を覚えておくことで、現地の方とのコミュニケーションを深めるきっかけにもなるでしょう。
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