【ニュース】インドネシアから日本向け物流・倉庫人材育成に向けた新たな枠組み― インドネシア総研・TDG・PTDI-STTDによるMoU締結 ―

2026年1月、インドネシア総合研究所、TDGホールディングス(三重県)、そしてPTDI-STTD(インドネシア陸上交通高等専門学校)の三者は、日本の産業ニーズを見据えた物流・倉庫分野の人材育成カリキュラム整備を目的として、覚書(MoU)を締結しました。

本MoUは、今後段階的に締結される、より実務的・技術的な協力契約(PKS)に向けた包括的な法的枠組みとして位置づけられています。

PTDI-STTDは現在、インドネシア国内のブカシ、バリ、マディウン、テガルなど複数地域にキャンパスを展開しており、インドネシア国内における交通・物流人材育成の中核機関の一つです。

目次

点から線へ、そして面へ― 日本企業との協力を「構造化」する取り組み ―

これまでも、日本企業が個別にインドネシアを訪問し、運輸省人材開発庁(BPSDM Perhubungan)傘下の交通系ポリテクニックからインターン生を受け入れる事例は存在していました。しかし、そうした取り組みは散発的で、必ずしも継続性や制度的な裏付けを伴うものではありませんでした。

今回のMoUは、それらとは異なり、日本側との連携を中長期的・体系的に設計することを目的としています。今後、日本企業や関連機関との協力については、弊社インドネシア総合研究所が中核となり、調整・支援を行っていく予定です。

特定技能(SSW)制度を見据えた人材育成

特定技能(SSW)制度においては、ドライバー分野が2025年に先行して開始され、物流・倉庫分野についても2027年の開始が予定されています。一方で、日本とインドネシアでは運転免許制度や業務慣行が大きく異なり、安全運転・快適運転・環境配慮運転といった考え方を実践できる人材の育成は容易ではありません。

こうした背景を踏まえ、インドネシア総合研究所はSTIAMIと連携し、KP2MI(海外就労者保護庁)、労働省、運輸省と協議を重ねています。

特定技能のドライバー制度を単なる人材送出の枠組みにとどめるのではなく、言語、文化理解、技術力を兼ね備えた人材育成の機会として活用することが狙いです。

役割分担による実践的な協力体制

本取り組みにおいて、TDGは産業パートナーとしてハードスキル教育およびジョブマッチングを担います。一方、弊社インドネシア総合研究所は、Soken Teacher Academyを通じた日本語教育モジュールの提供を行うとともに、PTDI-STTDにおける物流・倉庫分野のカリキュラム開発を、他の産業パートナーと連携しながら支援していきます。

このように、教育機関、産業界、そして政策との連動を前提とした役割分担により、日本市場が求める実務性と持続性を備えた人材育成モデルの構築を目指しています。

まとめ

弊社インドネシア総合研究所は、インドネシア人材の国際的な活躍を支えるため、教育・制度・産業をつなぐハブとしての役割を果たしていきます。物流・倉庫分野を含む今後のSSW制度の展開においても、現場のニーズと政策の方向性を踏まえた実践的な協力を重ねていく考えです。

本取り組みは、日本とインドネシアの双方にとって持続可能な人材循環を実現するための、重要な一歩と言えるでしょう。

今回のMoU締結は、単なる教育機関同士の連携や人材育成プロジェクトにとどまるものではありません。政策の方向性、行政組織の関与、教育機関の機能、そして産業界の実務ニーズを一つの構造として整理し、段階的に形にしていくプロセスそのものが、本取り組みの本質です。

インドネシアにおいて事業やプロジェクトを前に進めるためには、個別の交渉や場当たり的な調整ではなく、政府が判断しやすく、説明責任を果たしやすい枠組みを先に設計することが不可欠です。今回の取り組みは、まさにその考え方に基づいて進められています。

インドネシア総合研究所のGovernment Relation(GR)支援サービスは、インドネシア政府を動かすことを目的とするものではありません。政策、制度、教育、産業の接点を読み解き、関係者が自然に連携できる「動線」を整えることに主眼を置いています。その結果として、企業や機関の取り組みが、政策や制度の流れの中に無理なく位置づけられていきます。

詳しくはお気軽にお問合せください。

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