【コラム】インドネシアで利用の頻度の高い支払い方法
近年のインドネシアにおけるデジタル経済の発展に伴い、インドネシアの電子決済市場は2024年中に一定の成熟度に達すると予想されています。
日本でも電子決済を使用した支払いが増えていますが、インドネシアではどのような支払い方法が利用されているのでしょうか。
今回のコラムでは、近年インドネシアで利用頻度の高い支払い方法についてご紹介します。
インドネシアで人気のある支払い方法
Sensumの調査によると、インドネシアで最も人気のある支払い方法上位3つは以下の通りです。
1位:デジタルウォレット
2位:銀行振込
3位:代金引換
それ以外には、コンビニ支払い、口座引き落とし、クレジットカードでの支払いが人気です。
過去1年間で利用頻度の高い支払い方法
インドネシアの決済ユニコーン企業Xenditのデータによると、過去1年間で利用頻度が高い支払い方法は以下の通りです。
仮装口座支払い
取引ごとに、顧客カウントIDが付与され、利用者は指定された仮想口座に請求額を入金することで支払いすることができます。
送金先の口座番号を登録する必要がない仮想口座は、銀行振込より手軽で、銀行口座を持たないインドネシアの人々に広く利用されています。
店頭決済
事前に支払いコードを発行すると、IndomaretやAlfamartなどのインドネシアの大手コンビニエンスストアにて店頭支払いを行うことができます。
銀行口座を持たない若年層のオンラインショッピングの支払方法として、広く利用されています。
また、インドネシア全土のコンビニエンスストアで20,000店以上の店舗で対応が可能となっています。
QRコード決済
PayPayや楽天ペイなど、日本でも広く利用されているQRコード決済は、インドネシアでも多くの人に利用されています。
QRコード決済の種類としては、Ovo、Dana、Go Pay、Shopee Payなどが挙げられます。
QRコード決済の支払い方法として、QRコードをスキャンして支払いする方法と、webなどにアップされたQRコードを読み取る方法があります。
そのため、QRコード決済での支払いは実店舗だけでなく、オンラインストアにおいても広く利用されています。
電子ウォレット
インドネシアでは銀行口座を持っていない人が人口の36%おり、銀行振込での支払いの代わりとして、電話番号で簡単に登録できる電子ウォレットでの支払いが人気を集めています。
インドネシアの電子ウォレットの種類には、OVO、Dena、Shopee Pay 、Link Aja 、Dokuなどがあります。
クレジットカード
クレジットカードでの支払いも利用はされていますが、いまだにインドネシアにおけるクレジットカードの保有率はわずか6%と一部の人に利用されている支払い方法であると言えます。
インドネシアにおいて、クレジットカードを申し込むためには、収入明細を提出する必要があり、非正規雇用が多いインドネシアにおいては、まだハードルが高いのが現状です。
後払い
購入時にお金がなくても支払うことが可能な後払いも、インドネシアで人気の支払い方法です。
様々な支払いプランより選択でき、30日以内の一括払いや、12ヶ月間の分割払いなど、支払いする人に応じてプランを選ぶことができます
口座引き落とし
口座引き落としは、デビットカードの利用、オンラインショッピングにおいて広く利用されている支払い方法です。
販売側としては、購入時にすぐお金を引き落とすことができる口座引き落としは、確実に支払が行われる方法として魅力的です。
上記7つの支払い方法が、直近のインドネシアにおいて一般的であることがわかりました。
日本でも馴染む深い支払い方法もある中、仮想口座での支払いはインドネシアにおける支払い方法の特徴であると言えます。
参考WEBサイト:https://www.xendit.co/en-id/blog/7-most-popular-payment-methods-in-indonesia/
インドネシアにおける電子ウォレット支払いの増加
上記で挙げた支払い方法のうち、インドネシアにおいて電子ウォレットでの支払いが増加しています。
しかし、電子ウォレットを利用している人の多くは富裕層として分類される人々であることがわかっています。
また、年齢別に見るとミレニアル世代の利用率が高く、95%の人々が電子ウォレットを使用しています。ミレニアル世代より上の世代においては、いまだに現金の使用率が高く92%の人々が現金での支払いを利用しています。
このように、年齢別、によっても利用率は異なることがわかります。
インドネシアの電子決済における課題
インドネシアで電子決済が増加するにつれ、サイバーセキュリティや、個人情報の問題が課題として挙げられています。
また、もう一つの課題として金融サービスへのアクセス拡大をする必要があります。
電子ウォレットや、電子マネーの人気が高まっているのにも関わらず、銀行などの正式な金融サービスが利用できないインドネシア人が多くいます。
そのため、インドネシアの電子決済強化のためにも、これらの取り組みをどうしていくべきか考える時間が必要です。
参考WEBサイト:https://digitaltransformation.co.id/tren-dan-tantangan-pembayaran-digital-di-indonesia/
今回のコラムでは、インドネシアで一般的な支払い方法についてご紹介しました。
オンラインでの買い物が普及しているインドネシアにおいて、支払い方法を把握することは非常に重要であると言えます。
また、日本企業がインドネシアで進出する際は、消費者の購入パターンを読み取ることが必要であると言えます。
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