【コラム】インドネシアのEC市場(2023-2024)

インドネシアのEC市場はインターネットの普及率向上や、人々の消費行動の変化により大きく成長を遂げています。
EC市場の取引額は、2024年に487兆ルピアに達し、前年比で2.8%の増加が見込まれています。
今後もインドネシアにおけるEC市場は、さらなる拡大が期待されています。
今回のコラムでは、そんなインドネシアの最新Eコマース事情についてご紹介します。
参考WEBサイト:https://berijalan.co.id/article-detail/tren-belanja-online-2025-teknologi-dan-perilaku-konsumen
インドネシアのEコマース事業者
インドネシアのEコマース事業者数は、2022年から2023年にかけて大きく増加しました。
2022年には2,995,986社だったのに対し、2023年には3,816,750社となり、前年比で約27%の増加となっています。
また、2023年の統計によると、Eコマース事業者の約75%がジャワ島に集中しており、その中でも特に事業者数が多いのは以下の3州です:
- 西ジャワ州:818,077社(21.4%)
- 東ジャワ州:698,868社(18.3%)
- 中部ジャワ州:674,016社(17.6%)
このことからも、インドネシアのEコマース事業がジャワ島を中心に発展している様子がうかがえます。
インドネシアで人気のあるECサイト(2024年)
Web分析ツール「SimilarWeb」によると、2024年2月時点でインドネシア国内における人気ECサイトの月間訪問者数は以下の通りです。
1位:Shopee
訪問者数:2億3,590万
2位:Tokopedia
訪問者数:1億30万
3位:Lazada
訪問者数:4,503万
4位:Blibli
訪問者数:2,415万
5位:Bukalapak
訪問者数:月間442万
このデータから、ShopeeとTokopediaの2社が、インドネシアのEC市場において圧倒的な存在感を示していることがわかります。
インドネシアのEコマースにおける支払い方法(2024年)
インドネシアの調査会社Jakpatによると、Eコマース市場おいて、インドネシアで人気のある支払い方法とその割合は、以下の通りです。

https://goodstats.id/article/pembayaran-belanja-online-paling-populer-dan-aman-2024-slqkc
上記のデータからもわかるように、電子決済の利用は着実に進んでいるものの、代金引換(Cash on Delivery)を選ぶユーザーの割合も依然として高い傾向があります。
その背景としては、
「支払いを済ませたのに商品が届かない」といったトラブルや、オンライン決済に対するセキュリティ面での不安を抱く消費者が多いことが挙げられます。
こうしたリスクを回避する手段として、代金引換を選択する人が一定数存在していると考えられます。
なお、インドネシアには現在 42社の電子決済事業者 が存在しており、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済 など、さまざまな支払い手段が普及してきていると言えるでしょう。
インドネシアのEコマースで人気のある配送サービス
オンラインショッピングでよく利用されている配送サービスは以下の通りです。

上図より、インドネシアのオンラインショッピングにおいて多く利用されている配送サービスの中で、最も高いシェアを誇るのが「J&T Express」であることがわかります。
J&T Expressが人気の理由として、正確な追跡システム、荷物の無料引き取りサービス、迅速な処理体制、24時間対応 など、
ユーザーにとって利便性の高いサービスを提供している点が挙げられます。
続いて利用率が高いのが 「JNE Express」 です。
こちらも、低価格な送料、荷物の無料引き取りサービス、リアルタイムでの配送状況の確認が可能な点から、幅広いユーザーに支持されています。
そのほかにも、
主要都市への即日配達が可能な「SiCepat」、
短距離配達に特化した「GoSend」、
2時間以内の荷物引き取りサービスを提供する「AnterAja」
など、それぞれの配送ニーズに応じたサービスが幅広く利用されています。
参考WEBサイト:https://goodstats.id/article/pembayaran-belanja-online-paling-populer-dan-aman-2024-slqkc
オンラインショッピングにおける消費者行動の変化
テクノロジーの発展により、オンラインショッピングにおける消費者の行動は大きく変化しています。
2023年に発表された Google、Temasek、Bain & Company のレポートによると、インドネシアの消費者の約80%が、オフラインよりもオンラインでの買い物を好む という結果が出ています。
また、ライブショッピングなど、販売者との双方向のやりとりができるインタラクティブなショッピング体験が、より多くの消費者に支持されるようになっています。
さらに、AIを活用したレコメンド機能(おすすめ機能)の進化により、消費者は自分のニーズに合った商品を簡単に見つけられるようになってきました。
こうした変化を受けて、オンラインショッピングは今後さらに普及し、インドネシアにおける主要な購買手段として定着していくと考えられます。
参考WEBサイト:https://berijalan.co.id/article-detail/tren-belanja-online-2025-teknologi-dan-perilaku-konsumen
今回のコラムでは、インドネシアにおける最新EC市場についてご紹介しました。
今後も拡大が見込まれるEC市場においては、消費者のニーズや購買行動の変化を的確に捉えることが、ビジネス成功の鍵となります。
インドネシア市場への参入や展開を検討されている方は、現地のトレンドや文化的背景を踏まえたマーケティング戦略が大切であると言えるでしょう。
弊社インドネシア総研は、インドネシアの様々な分野における市場調査、現地視察を行っております。
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