【コラム】インドネシアのコロナ感染者数推移(1/4更新)～PSBB再延長ととワクチン接種開始へ～

2021年1月8日

インドネシアにおける新型コロナウイルス感染者数はすでに70万人を越え、インドネシア、特に首都ジャカルタでは、新型コロナウイルス新規感染者数の増加が続いているため、ジャカルタ州アニス知事は昨年4月より導入している「大規模な社会的規制(PSBB)」の更なる延長を発表しました。

当初は1月4日まで予定されていましたが、1月17日まで2週間の延長となります。

現在はPSBBの移行期間とされており、導入された当初ほどの厳しい条件付きではないため、人命や医療よりも経済を優先させている点への政府への批判の声も上がっています。

関連コラム：

インドネシア総合研究所

2020.04.09

【コラム】インドネシアにおける新型コロナウイルス拡大防止のための大規模な社会...

https://www.indonesiasoken.com/news/column-copid19preventexpansion

インドネシアでは、2020年3月2日に新型コロナウイルス感染者が確認されて以来、感染者数は増加を続け、政府も様々な対策をとっています。関連コラム：出典：インドネシア国家防災庁、新型コロナウイルス特設WEBサイトより弊社作成(閲覧日：2020年4月8日)https://www.covid19.go.id/situasi-virus-corona/ 出典：インドネシア国家防災庁、新型コロナウイルス特設WEBサイトより弊社作成(閲覧日：2020年4月8日)https://www.covid19.go.id/situasi-virus-corona/ 各種報道にもあります通り、インドネシア国保健省は、ジャカルタ...

インドネシア国内の現在のコロナ感染者数の推移は以下の通りです。

出典：インドネシア国家防災庁、新型コロナウイルス特設WEBサイトより弊社作成(閲覧日：2021年1月6日)
https://www.covid19.go.id/situasi-virus-corona/

インドネシア並びにジャカルタの1日当たりの新感染者数についても徐々に増加をしてお
り、現時点ではまだまだ減少の兆しは見られていません。

出典：インドネシア国家防災庁、新型コロナウイルス特設WEBサイトより弊社作成(閲覧日：2021年1月6日)
https://www.covid19.go.id/situasi-virus-corona/

現在、インドネシアの首都ジャカルタのコロナ陽性率は12.9%に達しており、世界保健機構(WHO)が示す感染がコントロールできている基準の目安となる陽性率5%を上回っています。

年始の1月1日時点のインドネシア全体の陽性率は29.4%を記録したと報じられました。

インドネシア国内でのワクチン接種の開始へ

そんな中、インドネシアでは新型コロナウイルスのワクチンの接種が開始されるというニュースが話題になっています。

ワクチンを開発した中国の製薬会社シノバック・バイオテックより、インドネシアの製薬会社Bio Farmaはすでに数百万回分のワクチンを受領済みで、まずインドネシア国内の医療施設に対して送付されます。

インドネシアは、シノバック・バイオテック、アストラゼネカ、ノババックスより約3億3000万回分のコロナワクチンを確保しており、必要に応じて更に調達量を増やしていく意向である旨が報じられています。

インドネシア国内のワクチンの接種は、1月13日から130万人の医療従事者から摂取を行い、その後更に1,740万人のエッセンシャルワーカーの人々が摂取を行う予定です。

その後は、60歳以上の高齢者2,000万人以上に優先的に摂取を行っていく予定であることが発表されています。

その後は、15カ月以内にインドネシア国内の18歳以上の居住者の約67%に値する1億8150万人にワクチンを接種していく計画です。

シノバック・バイオテック社のコロナワクチンの有効率は、試験段階では91.2%と報じられており、ワクチンへの効果が高まる一方、イスラム教徒が約90%を占めるインドネシアにおいて、ワクチンのハラル性への関心も高まっています。

シノバック・バイオテック社は「ブタ由来の原材料を使用せずにワクチンを製造した」と説明していますが、現在はインドネシア・ウラマ評議会(MUI)の見解を待っている状況です。

インドネシア国内におけるワクチン接種第一号となるジョコウィ大統領や、マアルフ副大統領は「今回のこのような緊急事態においては、投与が開始されるワクチンのハラル性は心配する必要がない。ワクチンを接種しなければ感染者が増加し結果として害になってしまう」と述べています。

その他、ワクチンの輸送や保管はコールドチェーン施設が必要になるため、特にインドネシア国内ではジャワ島外へのワクチン輸送と保管も課題の一つとして見られていますが、Bio Farma社スポークスマンのバンバン氏は、「過去にもインドネシア国内でワクチンを輸送した実績があるため、インフラはそこまで大きな問題にはならない」と見解を述べています。

参考Webサイト：