【コラム】インドネシア人の働き方 後編

インドネシア人と日本人が共に働く弊社インドネシア総合研究所では、両者の働き方や考え方の違いを理解し合いながら日々業務を進めています。

設立7年目となった今では大きな問題が起こることはなくなりましたが、設立当初は数々の「違い」に頭を悩ませることも少なくはありませんでした。

前編では「インドネシア人社員の仕事に対する意識の違い」についてご紹介しましたが、後編では「会社組織の違い」、そして「インドネシア人社員の特徴」についてご紹介いたします。

会社組織の違い

■担当者の権限
インドネシアの企業では、日本企業に比べ担当者の持つ責任・権限が大きい

担当者が権限を持つことは、上司の承認を待たずに決裁ができるため、スピード感を重視する上での大きなメリットになります。

しかし、その一方でリスクもあります。外部と接点のある調達部門などの担当者が大きな権限を持つことで、「上司の知らないところで取引相手の業者からインセンティブを受け取ってしまう」などという問題が発生するケースもあります。

■担当業務の割り当て
インドネシア人の従業員は「自分の担当業務の仕事をする」という認識が強い

※下記の図参照

インドネシアの従業員は「これが自分の業務」という意識が強いです。もう少し詳しく申し上げますと、自分の担当業務さえ終わってしまえば、まだ就業時間内であったとしても、他にすべき事を探さずに過ごす社員も少なくありません。

インドネシアにお住まいの方であれば、自分の業務が終わったからとスマホで動画を見る社員や、お客さんがいないからと店頭でおしゃべりをする店員を見かけることなどもよくあるかと思います。

一方で、日本の従業員はほとんどが「業務」ではなく「時間」での契約となっているケースが多いため、自分が主に担当している業務が一旦終わり、手持無沙汰になってしまった場合、何か他にできること探して仕事をすることが多いのではないでしょうか。

インドネシア人社員の特徴

■アサル バパッ スナン(Asal Bapak Senang)=ボスが喜んでさえくれれば

インドネシアには「ボスが喜んでさえくれれば」という意味のアサル バパッ スナン(Asal Bapak Senang)という言葉があり、もちろん個人差はありますが、ボスの機嫌を損ねないように以下のような行動をとる社員が多いです。

①実行できないような約束もその場しのぎでしてしまう
②ボスには良い話しか報告しない(トラブルなどの悪い話は同僚間で解決)

①の場合は、一度はできると言っていたはずのことが実際にはできていない、
②の場合は、トラブルが起きてすぐに報告をしてくれていれば解決できたのに、報告・相談が遅れたことでボスが知るころには事態が深刻になってしまう

という問題があります。

対策は

■ホウレンソウの徹底


上記で紹介した問題は、インドネシア人社員が “ホウレンソウ=報告・連絡・相談”をしないということが原因で起きています。

口頭で「ホウレンソウを徹底してほしい」と伝えるよりも、下記のガントチャートなどのビジュアルで確認できるものを活用し、習慣化するのが効果的です。

■研修の実施

日本人とインドネシア人がうまく仕事を進めるためには、双方の歩み寄りが必要です。

インドネシアにある日系企業の場合は現地従業員に対して、また日本でインドネシア人社員を受け入れる場合にも、日本企業の文化や本社の理念を研修にて学ばせ、理解してもらうことが非常に重要になります。

日本全体の文化や日本語の研修を行っている企業は多いですが、実は非常に重要であるコーポレートカルチャーの包括的な教育・研修は足りていないように感じます。

言語の習得のみでなく、日本の文化、日系企業の文化を習得してもらうことこそがインドネシア人スタッフ活用の成功の秘訣だと言えるでしょう。

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-5302-1260

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